六科なじむちゃん(6歳女子)が、社長として仕事をバリバリこなしたりこなせなかったり――漫画「幼女社長」が、「かわいくて癒やされる」「こんな社長の下で働きたい」と評判です。危なっかしいけれど、実はけっこうやり手?
漫画家の藤井おでこ(@fuxxxxxroxxka)さんが、TwitterとWebメディア「クレイジー」の連載で展開している作品。最新の第39話「くれーむ」では、なじむが自らクレーム対応をすることになってしまいます。クレーマーは「なんで責任者が子どもなんだよ」と立腹していますが、本当なんだから仕方ない。
電話口の少女が社長なのだと、やっと状況を飲み込んだクレーマー。買った商品が何もしていないのに壊れたからと、「誠意を見せろ」と怒鳴りつけてきます。暗に「謝罪しろ」「補償しろ」と言いたいようですが、そんな婉曲的な言い方、社長とはいえ6歳児には伝わりません。仕方なく「気持ちのことだよ、商品交換するとか」と説明しますが、「気持ちに物が必要なの……?」と正論で返され、言葉を詰まらせてしまいます。
「お客様は神様」の決まり文句にも、「同じ人間なのになぜ……」と正直な言葉が返ってきて、クレーマーはたじたじ。苦しまぎれに「いいから謝れよ!!」と怒鳴りつけます。
すると、なじむは「ケンカしたときはどっちも謝らないとね」と、幼稚園で教わるルールで提案。「私はアナタを怒らせちゃってゴメンナサイ、アナタは私に怒鳴ってゴメンナサイ」と、互いに謝るよう呼びかけました。ぐうの音も出ないような正論に、クレーマーもトーンダウンし、一緒に謝って話は収まるのでした。なんだかんだで神対応だ。
ほかにも、お泊まり会気分で残業に臨み、結果的に社員を休ませて効率を上げたり(第6話)、屋上で紙飛行機を飛ばして遊んでいるうちに、自殺しかけた男性を思いとどまらせたり(第30話)。なじむはつらい現実を無邪気な思考でどうにかしていきます。かと思えば、幼いがゆえに大失敗をしたりと、エピソードの幅広さも楽しいところ。
ツッコミ役のマユさんや、ウソすぎるくらい経歴が輝かしい社長秘書の軽井沢さんなど、社員も個性的な女性ばかり。特に、見当も付かないレベルで国籍不明のお茶出し・清掃係、ガルシアさんが登場する回は、何が起こるか分からなさすぎておすすめです。
藤井さんの著作には、『藤井おでこげきじょー』(電撃コミックスEX)も。こちらもぶっ飛んだ設定を異様なテンションで具現化したようなオムニバス作品となっています。
藤井おでこさんの書籍(Kindle Storeで配信中)
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