2018年はスーパーカブが誕生してから60周年を迎える記念すべき年ということで、Hondaはカブライダーに日頃の感謝を伝える応援企画を行っています。
その第5弾となるのが“逆出前”企画。
スーパーカブの開発コンセプトに「そば屋が片手で運転できるバイク」とあったことからも分かるようにカブと蕎麦屋は切っても切れない関係。逆出前はそんなお蕎麦屋さんに感謝の気持ちを届けようという想いから始まった企画となっています。
逆出前は、スーパーカブに乗って美味しいものを食べにいくことを意味し、蕎麦の日でもある11月30日から1年の間、上記8店舗を訪れたライダーにステッカーとスタンプがプレゼントされるという企画です。
実際に逆出前してみる
というわけで、ねとらぼ編集部も逆出前にチャレンジしてみたいと思います。運転するのは筆者の山下。普段からバイクに乗っていますがスーパーカブに乗るのは初めてです。
用意したのはこちらの黄色いスーパーカブ。
カブと言えばやっぱりこの丸目がしっくりきますよね。
逆出前に行くのは8店舗で唯一東京にある「ほそ島や」。千駄ヶ谷の将棋会館近くのお店で、プロ棋士が利用する「将棋めし」のお店としても知られています。ねとらぼからほそ島やまでは約5キロ、15分程度の道のりです。
それでは出発! 初めて乗るバイクは慣れるまで緊張します。
ロータリー式(N→1→2→3→4→N→1……とギアが変わり続ける変速方式)のバイクに乗ったことがないので少し不安だったんですが、2つ角を曲がったあたりで完全に理解しました。これは楽だ。それと初めて知ったことなんですが走行中にギアが4速からいきなりニュートラルに入っちゃう、なんてことがないようにできているらしいです。安心ですね。
カブで信号待ちをしているとだるま屋ウィリー事件を思い出してしまうのが人類の悪い癖ですが、普通に気を付けていればそんなことが起こるはずもなく、むしろ原付とは思えないパワフルさでガッと加速していくのが心強い。
途中、神宮外苑のイチョウ並木がすごかったので軽く見物しました。カブは軽いから押しやすいし、歩道でも浮かないのでこういうときにいいですね(でかいバイクを街中で押してると奇異の目で見られる)。
あと、一度うっかりスタンドを出したまま走り出してしまったのですがサイドスタンドの先にゴムが付いてたので「ガガガッ」とならずに済みました。ストップ&ゴーが多いカブだからこその思いやりを感じますね。
そんなこと言ってる間に「ほそ島や 逆出前」の看板を発見しました! もうすぐってことですね。
看板の先に続く緩い坂道を下っていけば……。
「ほそ島や」到着です!
お店の前には年季の入った出前用カブが。カブと言えばやっぱこのスタイルですよね。うん、渋い。
“逆出前”の手順としてはこの後お店でおそばを食べ、シールをもらってスタンプを押してもらえば完了ということになるのですが、せっかくなのでほそ島やさんに将棋やカブについていろいろとお話を伺うことに。
カブの走行距離だったら結構自信あります
――逆出前の企画に今回参加することになった経緯をお伺いしてもいいですか?
Hondaさんからそういうお話をもらって「面白そうっすね」と。東京近辺だけじゃなくて熊本の店舗とかもあって8店舗回る人もいるんですよね? すごいことやるな、って思いました。
――逆出前で来てくれたお客さんにステッカーとスタンプを配るんでしたよね。
楽しみです。「早くスタンプ押してぇな」って思ってます。
――(笑)。来てくれたカブライダーと話してみたいこととかありますか?
年式の古いカブに乗ってくる方がいたら気になりますね。僕は休みの日でも店のカブに乗ってるくらいなんですけど、10年以上乗ってるあの型のカブにすごく思い入れがあるんですよ。もちろん乗り心地とかは新しい型のほうがよくなってると思うんですけど、僕はもし今のカブが壊れて乗り換えるときも中古であの型を探そうと思ってるくらいなので。
――そうなんですね。ほんとに年季の入ったカブライダーって感じですね。
カブの走行距離だったら結構自信あります。さすがに日本一周とかされてる方には負けるけど、そういう方以外では僕が一番乗ってるんじゃないかってぐらい。16歳のときから乗ってますし普段から稲城や調布のほうまで平気でカブで行っちゃいますから。
――逆出前の店舗に選ばれるだけありますね(笑)。
だから、お話が来たときはありがたかったですね。うちは親父がいて僕がいて息子がいて、と3代続いてカブに乗ってるので、そのあたりも珍しいと思ってもらえたみたいです。
――今は息子さんが乗ってると。
そうですね、出前に行くときに乗ってます。ギア付きのバイクに乗ったのはカブが初めてだったんですけど、それこそ普通にプライベートで使えるくらい乗りやすくて。やっぱりギアがついてるのは楽しいですし、クラッチもないからめんどくさくなくていいですよ。
――僕は将棋が好きなんですけど、ほそ島やといえば将棋の出前で有名ですよね。開店したときから将棋とつながりが深かったんですか?
店が始まってもう41年目ですかね。将棋会館はもっと以前からあったので、最初は特に出前に行ったりすることもなかったです。でも近いということで棋士の先生がうちに食べに来てくださって、そのうち「あそこの出前取れないの?」みたいな流れから注文していただけるようになったのかと思います。
――出前はお店が始まった当初からカブですか?
はい、最初からカブを使わせていただいてて。
――ちなみに出前ってカブが定番ですけど、なにか理由とかあるんですかね?
どうでしょう、うちが始めたころにはすでに定番になっていたのでたぶんうちの父も自然な流れでカブにしたんじゃないかと。今はスクータータイプでも配達用の荷台にいっぱい載せられるものもあるんですが、やっぱり燃費とか故障のことを考えたりするとカブが一番いいのかなあとは思いますね。
――出前はどれくらいの頻度で行くんですか?
将棋会館にはほぼ毎日、昼と夜の2回行ってます。たくさん対局がある日とない日で違いますが、棋士の先生以外に将棋会館の職員の方も注文してくれるので。一度に4〜5食くらい出前するときもありますね。それ以外にも近くの音楽スタジオだったりアパレルさんの事務所だったりに出前に行ってます。
――結構な量があっても一気に持っていくんですか?
もう一気に持ってきます。出前用の荷台がちゃんと水平を保ってくれるようにできてるんで、ラップさえしっかり張っておけばバイクを斜めに倒したりしても中身はこぼれないんですよ。
――ほそ島やさんはお蕎麦屋さんなのにそれ以外のメニューも人気ですよね。1番人気ってどれになるんでしょう?
日によるんですけど、例えば今日で言っちゃえば、中華そばとカレーライスは2時前にはもうスープが全部なくなってる状況です。ずんどういっぱいのスープが2つあって50杯くらいは作れるんですけど、夜の分も売り切れちゃって。後は丼ものも人気がありますね。
――どれも将棋中継でよく注文されているのを見ます(笑)。ちなみにほそ島やさん的におすすめのメニューとかは?
将棋関係で取り上げられてないものだと、この時期はけんちんそば・うどんですかねえ。うちは親父が「レトルトは一切使わねえ」というタイプなので、今もけんちんは店で全部手作りしてるんですよ。
――創業時からのこだわりが引き継がれてると。
はい、一応手を込んで作らしてもらってるんで、うちの母親的にもそこを推した方がいいのかななんて(笑)。やっぱ9月すぎると「けんちんまだ?」ってお客さんに言ってもらえるんで、何人かファンがついていてくれるのかなと。季節ものなのでこの時期はけんちんを推したいですね。
――お蕎麦以外のメニューにすごい人気が集まるようになったのは何かきっかけがあったんですか?
わかんないですけど、正直、ラーメンに関しては、なんにもしてないんですよ(笑)。別に、秘密なことも特別なことも一切してないので、レシピ教えろと言われれば「全然教えますよ」という感じなんです。なんにもやってなさ過ぎて変な話、逆に何で売れてるんでしょうねえ。
――藤井聡太七段がチャーシューメンを頼んだときは大きな話題になりましたね。
あの翌日は1時半くらいにスープがなくなりました(笑)。それから『将棋めし』っていうドラマの第一話で「カレー丼」を紹介していただいたあともかなり反響がありましたね。
――「カレーライス」と「カレー丼」で味が違うんですよね。カレー丼のほうがいわゆる和風でお蕎麦屋さんっぽいカレーになってると。
カレー丼ってそれまでは正直、1日1回も出ない時もあったんですよ。それが紹介していただいてからはおかげで、日に何食かは必ず出るメニューのうちの一つになりました。
――ちなみに将棋の出前に関して、結構特殊な注文が話題になるんですね。例えば「ほそ島やさんの冷やし中華にチャーシューを追加する」という定跡が棋士の間で流行ったとき、「3枚追加」「6枚追加」と日ごとに枚数が増えていったのがファンの間では話題になってて。あれ、ほそ島やさん的にはどう感じてたのかなと(笑)。
いや、お客さんに言われたご要望に関してはできる限り応えようと思っているので。できる範囲であればチャーシューを何枚追加していただいても構わないですよ。
――1回、「冷やし中華にモチ追加」っていう奇手を佐藤康光会長が放ったことがあるんですが、それは覚えてますか?
あ、はい、面白いなと(笑)。それは今までなかったなと思いました。
――あれは本人も勘違いしてたみたいですけどね。他のメニューにお餅を追加するのは流行ってたんですが、冷やし中華に追加するのは誰もやってなかった。
たぶんちょっと違うんじゃないかなとは僕も思いましたが(笑)。
――最近は出前を届けてあとで器を回収に行く、という昔ながらの出前も減ってきているかと思いますが、ほそ島やさんは今でも変わらないですか?
そうですね。やっぱり発泡スチロールとか使い捨ての器だと味気ないじゃないですか。だからうちは回収をちゃんとしようってことで、器とかもお店のと同じのを使うようにしています。昔と全然変わってないですね。
――ありがとうございます。最後にほそ島やの出前を長年支えているカブの魅力などがあれば聞かせてください。
高校のときに店の手伝いでカブに乗るようになってから、僕は今でもお店のカブをそのまま乗り回しているので(笑)。他にもいろんなバイクに乗りましたが一番長く乗ってるのはカブですね。
うちには20年くらい乗っていてもうメーターが一周しちゃっているカブもありますが、それでもエンジンオイルの交換など手入れをしておけば古くてもちゃんと走るんですよね。乗りやすいし丈夫だし、ほんとに便利です。トータルでカブが一番いいですね。
“逆出前”のすすめ
熊本・三重・静岡・東京・栃木・埼玉の蕎麦屋8店舗へスーパーカブに乗って訪れると、逆出前をした証として“カブ圏内&逆出前中”ステッカーとスタンプがもらえます。8店舗を全て回ったライダーには何かいいことがあるかもしれません!(シールは各店先着100人まで)
コンプリート、目指してみてはいかがですか?
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提供:本田技研工業株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2018年12月17日