魔法陣に“呪文”を書き込んで召喚する――そんな漫画のような世界観の学習ARアプリが開発され注目を集めています。書いた英単語が実体化してる……!
魔法陣が描かれた紙に、呪文という名の「英単語」をペンで書き込んでカメラで写すと、書いた単語の3Dモデルが出現。まるで呪文を詠唱するかのように文字がフワッと浮かび上がり、魔法陣が青く光ったり、黒いオーラが出ていたりと、演出がまさに召喚といった感じです。
例として「APPLE」を描くと、丸い「りんご」が出てきてコロンと転がります。特に魔法陣から徐々にせり上がってくる様子がグッときたり……これは中二心も刺激される!
制作したのは、趣味でものづくりを行っているユニット「KATAKOTO(カタコト)」(@katakoto_std)。アプリは「SPELL MASTER(スペルマスター)」という作品で、先日六本木ヒルズで開催されたAR・VR系のイベント「#xRTech」にて展示され、そのインパクトのある“召喚”が「なにこれ面白い」「すごい」「やってみたい!」と話題に。
現在開発中の「スペルマスター」は、公式サイトにあるように知育玩具として作られており、カタコトの松井さんによると、子どものころに「英単語」が「呪文」のように見えていた経験から着想を得て生まれたとのこと。アプリでは正しく呪文(英単語)を書くことでモノが現れますが、「その魔法のような体験によって子どもの英語学習が楽しくなるのではないかと考えています」として、小学生低学年向けを想定しているようです。
とはいえ実際の展示では、20代以上の大人たちからの反応が大半だったそうで、英単語のつづりを調べて召喚したいという声が多く寄せられたとのこと。確かにこのワクワク感は親子一緒になって楽しめそう……!
ちなみに「スペルマスター」は、「第6回デジタルえほんアワード」で入選、「MashupAwards 2018 ヒーローズリーグ」でヒーロー賞を受賞しています。
仕組みはシンプルで、文字認識や3Dオブジェクトの検索など、既存の技術を組み合わせて、実質1カ月程度で開発したとのこと。力を入れた点は見た目の部分で、呪文で召喚するという世界観を感じることができるよう「禍々しい演出」には特にこだわり、デザイン、3Dの出るスピード、出方などなど、試行錯誤したそうです。
また認識する英単語は、3Dモデルのプラットフォーム「Google poly」から利用許可が明記されているものを動的に検索しているため、「単語の数は我々でも把握できません」と松井さん。なお、名詞以外の言葉でも可能で、定かではないものの1万語以上あるとのことでした。
現時点での商品化予定はないそうですが、これから約1〜2カ月で文字認識などの精度を高めて、「来年にはリリースできれば」と松井さん。「スペルマスター」を含むカタコトの作品が気になる方は、公式サイトや公式Twitterアカウント(@katakoto_std)をチェックして、もし展示される機会があれば参加して体験してみるといいかもしれません。
画像提供:KATAKOTO(カタコト)
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