トンネル内でスイッチバックとか萌えるー! 隧道マニア監修の「横須賀トンネル旅」を堪能してきた【田浦編】:横須賀トンネルめぐり1日旅(3)(1/4 ページ)
横須賀はトンネル天国! 昔はトンネル内で鉄道がスイッチバックしてたとこに行くよー。
横須賀市でトンネルカードを集めながらトンネルをめぐる連載。ついに第3回となりました。今回はJR横須賀線・田浦駅周辺のトンネルをめぐります。
今回のテーマは「謎の穴」。愛でるトンネルは比与宇隧道(ひようずいどう)と長浦隧道。比与宇隧道は戦時中使われた“謎の穴”がトンネル内に、長浦隧道は明治の痕跡である“謎の穴”がすぐ脇にあります。とにかく、この穴が見たかったのだ!
最後に日本料理屋「立花」でおそばを食べて、アニメ「たまゆら」の聖地・坂本隧道のトンネルカードをゲットします。とってもワンダホーな旅になりました。
そして、今回も廃道&隧道愛好家の平沼善之さんの監修でお伝えします。筆者に“あの穴を見に行きたい”と思わせたフカーイ知識をお楽しみください。
では、JR田浦駅から旅をスタートしましょう!
ぬぁぁぁああ! 廃線路が平面交差してるー!!
JR田浦駅北口を出て1分も歩かないうちに、廃線路が現れました。
線路をたどっていくと、平面交差をしているポイントがありました。うぉぉぉ。これ、メッチャ珍しくないですか!?
線路の行き先はどこなのか、地図で確認してみましょう。一方は田浦駅方面から比与宇隧道に、もう一方は海へ向かっています。
海へ向かう廃線路の反対側がどこへ向かっていたのか、昭和21(1946)年の航空写真を見ると分かります。田浦駅から平面交差の地点へ向けて引き込み線が出ていたのです。
思い返してみるとJR田浦駅はホームの両端がトンネルなのですが、横須賀方面のトンネル(七釜トンネル)は海側から廃トンネル・下り線・上り線の3本がありました。あの廃トンネルから、この平面交差までがつながっていたんですねっ!
平沼さんがこの地を初めて訪れた2007年には、もっと多くの痕跡が残っていたそうです。比与宇隧道と廃線がコラボするステキな写真を提供してくれました。残念ながら、取材時(2018年12月3日)には比与宇隧道付近の廃線路はなくなっており、コラボ写真を撮影することはできませんでした。廃物は消えていく運命……仕方がないことです。それでも、筆者がいちばん見たかったポイント“謎の穴”は健在で、愛でることができました!
比与宇隧道はコンクリート製。飾り気のない、よくあるトンネルのように見えます。しかし、普通のトンネルにはない謎の穴が……ここにあるのです。
あったー! トンネル内に、壁の穴をブロックでふさいだ形跡がありました。穴らしきものは全部で4つ……。謎でしかないですよね。これは一体なんだったのでしょう?
比与宇隧道は、昭和20(1945)年ころに完成しました。終戦までは軍事用のトンネルでした。当時は引き込み線がトンネル内まで伸びていて、空爆の危険が少ないトンネル内で、弾薬の積み降ろしを行っていたそうです。トンネル内の穴は地下の軍事施設につながっていたと思われます。引き込み線はトンネル内で終了し、スイッチバックしていたそうなんです。スイッチバックとか萌えー。おそらく鉄道専用だったトンネルが、鉄道・道路兼用となり、最終的に道路専用のトンネルとなったようです。こんな来歴を持つトンネルって、ちょー珍しいそうですよ!
廃線絡みのトンネルなんて、マニアの心をくすぐる組み合わせですよね。さて、次の“謎の穴”も見に行きましょう! 長浦隧道にレッツゴー!
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