アニメの聖地になるトンネルってやっぱパワーある! 隧道マニア監修の「横須賀トンネル旅」やってみた【最終回】:横須賀トンネルめぐり1日旅(4)(1/4 ページ)
横須賀はトンネル天国! アニメ「たまゆら〜hitotose〜」の聖地は、トンネルマニアが認める歴史的レンガ隧道なのだ!
横須賀市でトンネルカードを集めながらトンネルをめぐる連載。ついに全4回の最終回を迎えることとなりました。思えばいろいろなことがありました。明治のトンネルに恋をして、トンネルヌードルを食べていたら演奏が始まって、トンネル内で弾薬を積み降ろしていた痕跡を見て……。ああ、ついにラストです!(感動)
- 連載記事一覧:高橋ホイコの横須賀トンネルめぐり1日旅
今回のテーマは「ワープ感」です。坂本隧道、若松隧道をめぐり、最後にトンネルカードをコンプリートすると入手できるレアカードの情報をお届けしちゃいます。
今回も廃道&隧道愛好家の平沼善之さんに監修してもらいました。今回の注目は「レンガの積み方」解説。レンガの積み方を知るだけで、古いトンネルかの見分けがつくんですね。
では早速、坂本隧道へ。連載第3回でトンネルカードをゲットした、あのトンネルへレッツゴー!
アニメの聖地になるトンネルって、やっぱパワーあるぅ!
坂本隧道の南側の坑門(こうもん:トンネルの入り口)は、山に囲まれた谷あいのような場所にあります。とにかく狭い、狭い、狭いのです。高さ3.1メートル、幅3.6メートルで自動車が通るトンネルとしては横須賀市内屈指の狭さです。
山に囲まれたといっても、民家も多く立ち並ぶ住宅街にあるトンネル。自動車は頻繁に通ります。自動車は一方通行。トンネル内を歩いているときに自動車が来たら、思わず立ち止まって壁に寄ってしまうくらいに狭いです。
北側の坑門から見える景色はパワーがありました。坑門の先は崖のような下り坂。見晴らしが最高で思わずシャッターを切りました。このパワーある風景が、アニメ「たまゆら〜hitotose〜」の第1話のラストで使われています。実は取材時にはここがアニメの聖地だとは知りませんでした。トンネルカードをもらった店で聞いたので、帰ってからアニメを確認したところ、まあビックリ。ほとんど同じ構図の写真を撮っていたではないですか。そんな偶然が起こるくらい、この場所には魅力があるでしょう。
横須賀の特徴である谷戸(やと)地形が見渡せます。リアス式海岸のように谷が入り組む地域に住宅が立ち並んでいます。この地形だったからこそ、たくさんのトンネルが造られたんですね。ちなみにアニメでは坑門を覆うように桜が満開なのですが、この一本桜は古くなって切られてしまったそうです。アニメの主人公は横須賀市汐入から広島県竹原へ引っ越します。この風景は「トンネルを抜けると明るい未来であった」なんて気分にもさせてくれます。トンネルのオイシイところである“ワープ感”を楽しめる場所ですね。
ところで、ところで、坂本隧道といえばレンガがスゴいんです。大正10(1921)年完成当時のレンガが一部ではありますが、現在(2018年12月3日取材時)も残っています。レンガの積み方を細かく見ると、古いレンガがどれか分かります。どうやったら分かるのか、平沼さんに教えてもらった知識を使って解説しましょう。
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