スポーツニッポン新聞社の、動画共有コミュニティー「TikTok」公式アカウントが大きな人気となっています。スポニチの紙面レイアウト製作工程を、白紙の状態から完成まで見られるのです。これは興味深い……!
現在公開されている最新の動画は1月13日の大阪版1面レイアウト製作工程で、阪神タイガースの藤浪晋太郎投手にスポットを当てたもの。中央に藤浪選手の写真を大きく配置するところから始まり、右上に大きな記事タイトルロゴや小さな写真を配置。そこから反時計回りに文字や写真を配置していく様子が見られます。広告が入るところは、この段階ではまだ空欄のもよう。
現在動画は30本程度上げられているのですが、その多くが紙面レイアウトの制作工程を収めたもの。また、少数ではありますが、紙とペンと写真の切り抜きを使った下書き制作動画もあります。他にも、「ドラゴンボール超 ブロリー」公開記念の号外紙面制作動画など面白い記事の制作過程も公開中。
普通は見られない紙面の制作過程が多数見られるとあり、2万5000人を超えるフォロワーがついています。若者向けの「TikTok」で新聞社がこれだけフォロワーを集めているのは、かなりの成果といえそうです。
一体どのような理由でこのアカウントが作られたのか、アカウントの担当者であるスポニチの整理部(レイアウト制作担当部署)の浦野亮太さんに話を聞いてみました。
―― アカウントを立ち上げたのはいつ頃でしょうか。
浦野:2018年11月です。
―― どのようないきさつでアカウントを立ち上げたのでしょうか。
浦野:提案者は私です。
スポーツニッポン新聞社社内では現在、いろいろなものに積極的に挑戦していこうという気風が高まっています。スポニチのTwitterやInstagram公式アカウントもそのなかで生まれたものです。そんななかで目をつけたのが、流行語大賞にもノミネートされ若い人に注目されている「TikTok」でした。
若い人の間で新聞が読まれなくなっているなか、「TikTok」を通じて存在を知ってもらったり、興味を持ってもらえるのではないか……と考えアカウントを立ち上げました。
―― なぜ紙面の制作過程動画のみを投稿する形式にしたのでしょうか。
浦野:整理部は基本的に社内でのデスクワークが中心で、現場に行ったりするわけではありません。そんな自分にできることはなんだろうか、と考えたどり着いたのがこの形式でした。
―― フォロワーや新聞の読者からはどのような反応がありましたか。
浦野:「TikTok」内のコメントでは、「新聞ってこういう風に作られてるんだ」「自分たちも作ってみたい」「まねしたい」といったコメントをいただいています。まだアカウントを作って2カ月程度なので、新聞の読者からの反応は届いていません。
―― 社内ではどのような反応がありましたか。
浦野:整理部の仕事は社内でも何をしているのかよく分からないという声があったのですが、このアカウントのおかげで分かるようになったということです。
―― 今後レイアウト制作動画以外の動画を配信する予定などはありますか。
浦野:まだ実験段階であるため、なんとも言えません。すでに多数好評の声を頂いており、まずは話題になり多くの人に知ってもらいたいという初期目標はすでにクリアできたのではないかと思っています。今後はさらに多くの人に見てもらえるよう、工夫していきたい思いです。
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