2016年に、はてな匿名ダイアリーのエントリ「保育園落ちた日本死ね!!!」が話題になって以来、くすぶり続ける待機児童問題(関連記事)。その後政府も対策を打ち出してはいるものの、どこかピントがズレていないか――そう指摘する風刺漫画が話題を呼んでいます。
作者はTwitterユーザーの野井湧水(@noynoyes)さん。保育園の入所不承諾通知を受けた主婦を主人公に、その不満を描いています。「子どもを預けられなければ働けない……政府は働く女性を応援するのではないのか?」と怒りの声を上げると、戯画化された政府が「STOP! 少子化」のうちわを掲げて登場。子育て世代のためにがんばっていると主張します。
では、具体的にどう応援してくれるのかと問うと、回答は「幼児教育の無償化」で、しかも財源は増税。主人公は、保育園を増やして待機児童を解消するほうが先だと反論します。そして、実情を把握していないように見える政府の対応に、「ちゃんと困ってる人のことを見て、少子化対策だと言うのなら、まず子どもが保育園に入れるようにしてください」と、あらためて願います。
しかし、政府はこれまでの流れを無視したかのように、「子連れ出勤」の支援案を提示。実施した場合のトラブルを想定していなさそうな施策に、主人公はあきれて立ち尽くすのでした。
こうして子育て世代の不満を表した漫画は、多くの共感を呼びました。特に「子連れ出勤」には厳しい意見が多く、「保育士の仕事が軽く見られているとしか思えない」「なるべくお金をかけずに待機児童問題を解決しようとするから、こんな非現実的な発想が出るのでは」といった批判の声が上がっています。
一方、待機児童問題については、「地方では子どもが少なく保育園はガラガラ」と、都市部との温度差を指摘する声も。「少子化傾向の昨今、安易に都市部へ保育園を増やすのではなく、仕事や生活を地方へ分散させる政策が必要」と、別角度からの意見が出ています。
- 参考:幼児教育の無償化について(内閣府の資料)/「子連れ支援」の総合的推進について(内閣府発表)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「子連れ出勤推奨」どう思う? ネットは「保育園を増やすのが先」「まず議員からやれ」の声
89.1%がネガティブな意見。 - 「保育園落ちたの私と私の仲間だ」ネット署名に1万人超える賛同 国会議員に現状伝えることを目指す
はてな匿名ダイアリーのエントリ「保育園落ちた日本死ね!!!」を機に議論が盛り上がり、署名へと発展。 - 保育園の空きがないから魔王討伐に行けない RPG風漫画「伝説のお母さん」がファンタジーなのにやたらとリアル
子育てと魔王を倒す旅、両立なるか!? - 【マンガ】保育園で頑張りすぎている長女 「家ではガンガン甘やかして」臨床心理士のアドバイスが反響
先生からの思ってもみないアドバイスに目から鱗が落ちる……! - 町田市「中学校給食」問題、2万3000超の署名を集めるも不採択に 議員からは「給食は手抜き」「お弁当を作りたい人の気持ちを尊重」
「町田市の中学生に、小学校と同様のクオリティーの全員給食を」との請願。2万3000筆以上の署名を集めましたが……。