「混雑してないから遊び放題」 志摩スペイン村の自虐サイト話題に 広報「自虐のつもりはなかった(笑)」
映り込む人がいないからインスタ映えもしやすい――三重県志摩市のテーマパークのキャンペーンが「振り切っている」と話題に。
「混雑していないからこそ他施設より 2000%遊びたい放題」「待ち時間ほぼゼロ!」「空いているから映え放題」――三重県志摩市のテーマパーク「志摩スペイン村」の公式サイトが、“空いている”ことを推したキャンペーンを展開しており、Twitterで「自虐ネタ」「思い切りやヨシ」「振り切っている」と評判を呼んでいます。
志摩スペイン村は、1994年に開園したスペインをテーマにした複合リゾート施設。メインとなるテーマパーク「パルケエスパーニャ」では、34万平米の敷地に28種類ものアトラクションが展開され、スペイン人ダンサーによるフラメンコショー、スペイン料理レストランなどなど、スペインの空気をさまざまに味わえる遊園地となっています。
2月13日、Twitterであるユーザーが「三重県にある志摩スペイン村、その客足の少なさから、とうとう自虐ネタに走りました」と同園のサイトを紹介したところ、1日で6万8000回以上リツイートされるなど大きく注目を浴びることに。
話題となっているのは、サイト内にある高校生や大学生に向けた「学生スキ放題パーク!」というページ。「好き」と「空き」を掛け、同園は混雑していないからこそアトラクションに並ばず乗れるし、人の映り込みもないからインスタ映えな写真も撮りやすい、キャラクターやスペイン人とも“近づき放題”と、空いているから好き放題楽しめることをPRしたものです。なんとすがすがしい割り切り……!
宣伝文句もなかなかパンチの効いたものが多く、ざっと次の通り。
- 混雑していないからこそ他施設より2000%遊びたい放題
- 並ばないから乗り放題
- 1日何回乗れるか耐久レース
- インスタ映えするスポットがたくさん! 人が少ないから人の映り込みナシ!
- (参加型ショーで)ライバルが少ないから目立ち放題
- キャラともスペイン人ともお近づきになり放題(ハート)
- どこぞの施設ではありえない2shotも撮り放題!
Twitterでは空いていることを逆手に取った攻めの姿勢に「不謹慎かもしれませんが笑いました」「思い切りやヨシ!!」「こんな風に振り切れた企業垢に私はなりたい」「これは逆に行きたくなる」と好印象を抱く声が続出。
また「USJの年パス持っている小学生が修学旅行で行ったところ、好きな乗り物に待ち時間なしで乗り放題だったと大変喜んでいた」「人がいないから某ランド以上に乗り物に乗れて楽しい」「本格的なフラメンコショーの他、パレード、グリーティングも人が少ないゆえに楽しめてよかった」と、実体験からコスパの良さに共感する声も多く寄せられていました。確かに空いている遊園地ってストレスフリーで楽しめるのでいいですよね。
公式サイトでは反響を受け、2月14日に「昨晩から未明にかけて志摩スペイン村がツイートトレンドにランクインいたしました。志摩スペイン村愛に溢れるツイートをたくさんいただき、ありがとうございました」とお礼のコメントを発表。同園の広報担当にどういった経緯でページを制作したのか取材してみると、次のように説明しました。
「“自虐ネタ”と話題になっていますが、当園としては自虐するつもりはなく、単に『空いているからコスパがいい』という事実を体験価値としてわかりやすく訴求してみただけだったんです(笑)。キャンペーンのページは1月7日に公開したので、昨日の夜に急に『話題になっているよ』といろんな連絡を受けて、今のタイミングなんだとびっくりいたしました」
志摩スペイン村では25周年を記念して、高校生以上の学生は2500円で入れる「学割パスポート」を2月9日〜3月31日に販売しています(通常18歳以上5300円、中高生4300円)。しかし同園はリゾート施設ということもあって一般的なイメージはファミリー向け。せっかくの卒業旅行シーズンにもっと学生に来てもらいたいということで、学生向けのサイトを作るためにSNSでどんな感想があがっているか調べてみたそうです。
「するとTwitterでの学生さんの感想には、『コスパがいい』『何回も乗れちゃった』『映り込みも少ない』など、空いていることに魅力を感じている声が多く見受けられました。こういう体験価値が当園にあったのかと驚きまして、パスポートの安さよりも、学生さんが本当に魅力に感じている部分を率直に『こういう体験ができます』と打ち出すページにした次第です」
実際に空いているかどうかについては、「日によりけりではありますが、本来リゾート地、悪い言い方をすれば田舎の方にある施設なので、繁忙期と閑散期の違いがはっきり分かれています。今の時期の平日となると遊びに来られる方も限られているので、告知通りの状況も発生しやすいかと」と説明しました。
Twitterでの反響については「素直にうれしいですし、またあのツイートをきっかけに当園の魅力を多くの方が書き込んでくださっていてありがたいです。今年で25周年になりますが、小さい頃にお父さんお母さんと来られた方々が、今大人になって自分の足で来られる年齢になり、Twitterでも反応してくださったのではないでしょうか」とコメントしました。
2月9日〜11日の三連休は、モデルのスペイン人が代替わりする時期ということで多くのファンが足を運んでくれたとのこと。「距離も近いから仲良し放題」「お近づきになり放題」「3回会ったらもうマイメンレベル」「どこぞの施設ではありえない2shotも撮り放題!」ととにかくイチャイチャし放題のようなので、ひとまずスペイン好きの学生はアミーゴになりに行ってみては。
(黒木貴啓)
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