いま、日本の観光地で「和風デザインのヒジャブ」を展開するお店が増えてきています。
ヒジャブは、ムスリム(イスラム教の人)の女性が頭に巻いて髪などを隠す布。イスラム教の聖典「コーラン」の教えに従い身に付けているものですが、近年はアレンジして楽しむファッションの一面もあり、ヒジャブを使ってディズニープリンセスに変身する女性や、フリルやリボンのついたヒジャブでロリータファッションを楽しむ女性もいます。
日本の観光地で、ヒジャブはどのように楽しまれているのでしょうか。また、和柄ヒジャブができるきっかけはどのようなものだったのでしょうか? 和柄ヒジャブを販売またはレンタルしている京都・奈良のお店の人に話を聞いてみました。
「私もほしい」口コミで広がった和柄ヒジャブ
京都 嵐山にある京料理とお土産の老舗「良彌」では、2016年春からヒジャブを販売。販売のきっかけは、副社長の佃さんがムスリムの友人に着物柄のヒジャブを作ってプレゼントしたところ大変喜ばれたという、アットホームな出来事からでした。和柄のヒジャブは友人の周囲の人たちにも大好評で、「もっと作ってほしい」というリクエストが多くあったことから、お店での和柄のヒジャブの提供を始めたそうです。
ヒジャブは系列店の「madam puri」で制作。無地のちりめんや、絹など、着物をイメージした日本の素材で作っています。無地や透け感のある生地と、着物の柄の生地など2枚以上を組み合わせて1枚のヒジャブを作ることもあります。
「良彌」で販売されているヒジャブは口コミで広がり、「私も欲しい」と多くのムスリムの女性が来店。和柄のヒジャブを自分の国へ買って帰ったお客さんが、身につけて京都の旅を懐かしんだり、着物を着る代わりに和柄のヒジャブを被り、パーティーや結婚式に出るなど、魅力と個性のあるファッションとして楽しんだりしているそうです。
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