何事にも厳しい職場の上司が大嫌いだったけれども――入社後の指導担当との思い出を振り返る実録漫画が、Twitterで「いい話だ」「泣いた」と多くの人の心の琴線に触れています。作者は長谷川ザビエラー(@zabieraaaaaaa)さん。
長谷川さんは高校を卒業すると、ある企業に就職します。そこで指導担当として出会ったのが仕事にも遊びにも熱心な40歳年上のコワモテの上司でした。指導は厳しく「嫌いなジジイ」だったと長谷川さんはいいます。
「便所掃除ちゃんとしろ!」「丁寧に物は片付けろ!」とどなる上に、「なんでそんな暗いんや」と余計な指摘まで――とにかくうるさくて嫌い。長谷川さんは、5年後に上司が定年退職を迎えたときには「あばよジジイ! 俺は嬉しいよ!」などひとこと言ってやろうと妄想する日々を送っていました。
しかし長谷川さんは地理的にも離れた部署へ異動となり、それから2年ほどたったある日、例の上司が病気で入院したと小耳に挟みます。さらに1カ月たったころの朝、社長から電話が。その上司の訃報でした。
「お前もお世話なったやろ」と言われながら、長谷川さんは思い出します。誰とも話せず一人だった自分は飲み会が嫌いだったこと。そんな自分に話しかけてくれるのはいつもその上司だったということを……。「クソ嫌いな上司」の存在の大きさを失ってから感じた長谷川さんは、電話越しで涙を止めることができませんでした。
厳しく指導したり口うるさい存在は、時にうっとうしいもの。しかし、その存在の大切さは後から……無くしてしまってから気が付くことも多いものなのですよね。長谷川さんの上司はお酒の席で酔っ払っている時にはよくほめてくれたそうなので、未熟な部分だけではなく、しっかりいいところも見つけて認めてくれていたのかもしれません。厳しい……でも、いい上司!
この漫画を読んだ読者からは「そういう役ができる方が本当に強い方」「いいところは離れてから気がつく」「泣いた」など上司の人柄や真意に感動する人が続出しています。
作者の長谷川ザビエラー(@zabieraaaaaaa)さんは、Twitterで感情の爆発をテーマして描いた漫画などを公開しています。2018年の第41回イブニング新人賞にて準大賞と特別賞を受賞しています。
画像提供:長谷川ザビエラー(@zabieraaaaaaa)さん
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