大好きだった星空が「美しく見えなくなってしまった」ときの話

気持ちの持ちようで見え方はずいぶん変わるもんだ。

» 2019年03月16日 12時00分 公開
[てんもんたまごねとらぼ]

advertisement

 みなさんは、大好きだったものが大嫌いになってしまったことはありますか? あるいは美しいと思っていたものが、毒々しく見えるようになってしまったことは。

 私(てんもんたまご)はハンドルネームに「てんもん」と入れているほど天文学が好きです。中学時代にSFを書きたくて勉強した天文学にハマって以来、大学時代までずっと天文学を勉強するために生きていました。

 夢にあふれた中学時代には、とある公募で入選して天文台に泊まったこともありました。そのとき初めて見た天の川の美しさには息をのんだものです。

advertisement

 そんな私にも、星空が「美しく見えなくなってしまった」時期があったのです。


星空は「美しくて優しいもの」



 中学時代から私は実家のベランダで星を見るのが好きでした。瞬いている星を見ると、星空が優しく語りかけているような心地がして、とても癒されたものです。少しくらいつらいことがあっても美しい星がいつも私を励ましてくれました。

advertisement

 受験に失敗して、さらに家庭が荒れて辛かったときに、たまたま見あげた「オリオン座流星群」には涙がこぼれて、天文学が学べる大学へ入る決意を新たにしたことも、昨日のことのように思い出せます。

 私にとっては、星はずぅっと「美しくて優しいもの」だったのです。


星は「怖い」もの?



 しかし大学4年生の卒業研究時代、「星なんて見たくもない」時期が訪れました。

というのも、大学4年生のときに病気をしてしまい、思うように卒業研究に専念できなかったのです。

 「待ちに待った卒業研究で、研究テーマだって直段判して自分で決めたのに」
 「家族に協力してもらって浪人して、上京してまで天文学を学びにきたのに」
 「なんで身体が言うこと聞かないの? なんでこんなにポンコツになっちゃったの?」

 ついには自己嫌悪になり、「星なんか見たくない」という気持ちにまでなってしまいました。

 そのころはプラネタリウムや本物の星を見ても、明るい星の光が針山のようにトゲトゲしているものに見えて、自分が責められているかのような気持ちになってしまいました。

 それもそのはずで、当時は自動でふたが閉まるウォシュレット便器にすら「うう、便器すら私を急かしてくる……」と思うほど追いつめられていた、というか自分で自分を追いつめてしまっていたのです(いまではそれもすっかり笑い話ですが)。


気持ちが変わると物事の見え方も変わる



 星や宇宙は、一般的には「美しいもの」だったり、「自分や悩みがちっぽけに感じるもの」だったり、「ロマンチックなもの」だとかいわれますが、私は人生のその時々で、まったく違う夜空を眺めてきたような気がします。

 もちろん星空はその日の湿度などの物理的な状況によっても見え方が違うというのもありますが、それよりもその日によって常に違う気持ちで星を眺めるからです。

 でも気持ちによって見え方が変わるものは、星だけとは限りません。もっと身近なことでも起こる現象です。

 例えば、雑草ひとつとっても、名前を知っていると親しみがわいてかわいらしく見えますし、毒草と知っているとその花の美しささえ恐ろしいと感じてしまいます。

 あるいは、昔は好きだった人の嫌いな言動が目立って見えてきたとき、案外自分が疲れていたり寝不足だったりすることもあります。

 みなさんにも似たような経験はありませんか? もしもそんな経験をしたら、自分の心の中を一度見直してみてはいかがでしょうか? 案外自分の精神状態や健康状態に振り回されているだけなのかもしれませんよ。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/03/news065.jpg 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. /nl/articles/2503/03/news040.jpg 「早く買えば良かった」 無印の1490円“本格せいろ”が690万表示の反響 「ほぼ毎日使ってる」「まっっじでいい」と感動の声
  3. /nl/articles/2503/03/news015.jpg 幼くてかわいらしい兄妹が4年後…… 同じポーズで撮影した“現在の姿”に「これはあかん」「よすぎて声出ました」
  4. /nl/articles/2503/03/news027.jpg 「洗濯機が壊れた!」→修理を頼む前によくよく調べてみると…… 「えぇ~」“まさかの原因”が200万表示「何度もやりました」
  5. /nl/articles/2502/24/news057.jpg 【べらぼう】「なにこの美しさ…」 新キャストの“38歳俳優”、剃髪姿に「スーパー男前」「かっこよすぎ」
  6. /nl/articles/2503/03/news139.jpg 韓国人とベトナム人の両親の元に生まれた、22歳俳優 “完成されすぎた”幼少期→現在のビフォーアフターが120万再生
  7. /nl/articles/2503/03/news115.jpg 東京ディズニーランド、“パジャマミニー”求めファン殺到→「過呼吸になりそう」「ものすごい殺気」 “即品切れ”で高額転売も
  8. /nl/articles/2503/03/news021.jpg スーパーで“切れてる”ブナシメジを買おうとしたら…… パッケージ裏に書かれた“秘密”が200万表示「初めて知った!」「100倍良いじゃん」
  9. /nl/articles/2503/03/news028.jpg 着なくなったスカート、捨てないで! ミシンもハサミもいらない“ちょっとした工夫”で生まれ変わるリメイク術が目からウロコ【海外】
  10. /nl/articles/2503/03/news033.jpg 50歳父「昔はかなりモテた」→ウソかと思いきや…… 娘もびっくり“当時の姿”が500万再生「いやいやマジで?」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  2. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  3. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に
  4. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  5. 余った毛糸は捨てないで! 四角く編んでいくと……目からウロコのアイデアに「知れてよかった」「素晴らしい」
  6. コストコで販売「生カキ」原因で体調不良か…… 全国で1万食自主回収「深くお詫び」
  7. ごはん炊き忘れた父「いいこと閃いた!」→完成した弁当に爆笑「アンタすげぇよ!」 息子「意味ねぇことすんなよ」
  8. 瀬戸内海で漁をしていたら突然異変が…… 揚がってきた“取ってはいけない生物”に衝撃 「初めて見ました」と70万再生
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 温かそうだけど…… 呉服屋さんが教える「マフラーの巻き方」になぜか既視感 「あの巻き方ってこうやってたの!?」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に