「剣と魔法の淡路島に召喚された高校生が、淡路島の神話に選ばれた仲間たちとともに、淡路島の歴史改変を目論む魔物と戦う」という、ローカルすぎるロールプレイングゲーム「はじまりの島 -淡路島日本遺産RPG-」がリリースされました。
淡路島に伝わる日本遺産のPRを目的に開発された本作。日本神話と関わりの深いストーリーを通じて、歴史や風土、特産業といった淡路島の魅力を楽しく学べるというコンセプトらしいのですが……
RPGとしてのクオリティが想像の斜め上を行くガチっぷりで、淡路島の魅力に先立って「ゲームとして面白いもの、かっこいいものを作ろう!」という企画・開発担当者さんの心意気がビンビン伝わってきます。
物語を彩る主要キャラはフルボイス。セリフには方言(淡路弁)が使われており、ゴリゴリに訛りながら喋るメインヒロインは斬新でかわいい。また淡路島出身の人気声優・興津和幸さん(「ジョジョの奇妙な冒険」ジョナサン・ジョースター役など)もイザナギ役で出演しています。地域愛あふれる熱演がイベントシーンを盛り上げるッ!
イベントの内容も王道を外さず、なおかつ淡路島の紹介をさりげなく取り入れた作り。たとえば主人公のパワーアップイベントでは、「イザナギにもらった神剣を修理する」という過程を通じて、「鉄器作りが盛んだった」という島の歴史が語られます。
基本となるゲームシステムは「ドラゴンクエスト」を彷彿とさせるシンプルなコマンドRPG。レベルアップで覚える魔法や特技を駆使して戦っていくのが基本ですが、課金アイテムで「MP消費が2倍になる代わりに魔法威力アップ」「防御コマンドで受ける物理ダメージが大幅軽減」などのアビリティを習得すれば、キャラクターの個性をさらに強めることも可能です。
ゲームバランスはなかなかのガチ仕様で、パーティーをワンパンで壊滅させる魔物が序盤の洞窟に出現したりと、「淡路島はロンダルキアだった?」と勘違いしそうになる場面もちらほら。
ちなみに「ドラクエ」の生みの親・堀井雄二さんは淡路島出身。堀井さんが手がけた「ドラクエ」が、翻って淡路島創生のエッセンスに…‥これ、めちゃくちゃいい話じゃないですか? ゲーマーの心を盤外戦で揺さぶってくる。
と、遊んでいるだけで淡路島へ遊びに行きたくなる本作ですが、実際に島内でプレイすると「ゲーム内で使える強力なアイテム」がもらえる特典も。一方ゲーム内では淡路島の提携施設で使えるクーポンが配布されています。
郷土愛とゲーム愛が奇跡の融合を果たした「はじまりの島 -淡路島日本遺産RPG-」。RPGとして目新しい要素はあまりありませんが、堅実な作りと王道のストーリー、何よりも「もっと知りたい」と思わせる淡路島の魅力がプレイ意欲を刺激します。みんなも聖剣を抜いて淡路島の破滅に抗おう!
(C) 2019 Awaji Island Tourist Association.
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