甲子園を目指す球児の熱い絆を描いた漫画「エースto4番」に、「泣いた」と感動する声があがっています。作者は漫画家の福井あしび(@makoXmako)さん。
舞台は甲子園大会の地区予選決勝、ケガをしたエース投手、長谷川に代わって4番バッターの大場がマウンドに立ちます。チームメイトがケガをしたにもかかわらず「俺のマウンド」と喜び、長谷川のダイビングキャッチに「目立ちたいだけのプレー」ときつい言葉を投げるなど性格に難ありの大場ですが、投打の両方で並外れた実力を見せつけます。実は彼には、病気の母親のために投手の背番号「1番」を背負って甲子園に行くという目標があり、そのために練習を重ねてきたのです。
順調だった大場ですが、守備の乱れから調子を崩し、チームメイトとの雰囲気も険悪に。ついには9回表に打たれて逆転を許し、ツーアウトの場面で長谷川がマウンドに戻ります。
悔しそうにマウンドを譲る大場に、長谷川が告げたのはここまでこられたことへの感謝。そして「絶対に次の打者を抑えてみせる。だから9回裏は絶対に打ってくれ!」――練習で大場の実力を見て、彼が打席に立つまで「耐えられる投手になろう」と思った長谷川の、絶大な信頼がうかがえる言葉でした。大場がその信頼に応えるラストは、2人の絆に目頭が熱くなります。
ごう慢な言動が目立つ大場ですが、彼のセリフからは、かなりの努力を重ねてきたことがうかがえます。投手用グラブで一塁の守備をするほど投手というポジションへ情熱を持っていることや、「ダイビングキャッチするやつは嫌い」と言いながらもダイビングキャッチで長谷川のピンチを助ける場面など、「実力はあるけど嫌な奴」というだけではないキャラクター描写がグッと来ます。そんな大場の本質を見抜いて信頼を寄せる長谷川もまた、エースにふさわしい器の持ち主といえるのではないでしょうか。
漫画を読んだ読者からは「興奮して鳥肌たった」「目から汗が」「青春っていいなぁ!」などの感想が寄せられています。
「エースto4番」は過去に雑誌に読み切りとして掲載された作品。福井あしびさんは現在『週刊少年サンデー』で2019年の高校球児が60年前にタイムスリップする野球漫画『アノナツ1959』を連載しています。
「エースto4番」
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