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「お前は2番目の女」宣言で高橋一生の株下がりまくりの「東京独身男子」3話 エロスを失い信頼を得たのは斎藤工

自分を好いている女性に「2番目の女」とバカ正直に宣言した高橋一生!

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 2話で少し上がった太郎ちゃん(高橋一生)の株が大暴落。

 5月4日(土)23時15分から放送の、ドラマ「東京独身男子」(テレビ朝日系)3話。「私、太郎ちゃんの彼女になりたい」と言う年下女子・かずな(仲里依紗)。「1番好きな人より、2番目くらいがちょうどいい」という同僚の言葉を鵜呑みにした太郎は、「俺にとって、ぶっちぎりの2番」「こんな俺で良ければ、付き合ってください」と言い放つ。かずなは太郎の性格を褒めていたが、堂々と2番目扱いするなんて優しくないし、自尊心が削られるだけだ。

 それをわかっていても、好きな人には抗えない。太郎の申し出を承諾してしまうかずなに、自分を重ねてしまう女性視聴者もいたのでは。私もその一人だった。他人事ではない。


東京独身男子 父親と同居しはじめた滝藤賢一、株大暴落の高橋一生、セクシー担当・斎藤工 イラスト/たけだあや

性を失い信頼を得た玲也

 今回は、太郎と玲也(斎藤工)の一見「優しさ」に見える振る舞いが、別々の結果を招いていた。それは、自分の家で寝てしまった女性に手を出さないことだ。

 太郎の家を訪れたかずなは、いつもよりオシャレをしている。手料理を作り、できるだけ密着して太郎とテレビを見ようとする。くっついてくるかずなを避け続けてソファの端っこまで追い詰められる太郎の姿は、あからさまに心情を表していた。

 かずなは、テレビを見ている間に寝落ちしてしまう。太郎が自分に近付いてくるのに気づいて、慌てて寝たふりをする。キスをされるか思いきや、太郎はベッドルームにお姫様抱っこでかずなを運び、毛布をかけてあげた。

 これは、優しさからの行動ではない。太郎は、この状況でかずなに手を出さない自分を悔いていた。ビビりで覚悟がないから手を出せなかっただけだ。この一件で、自分を女性として見られないということに、かずなは気づいてしまう。

 一方、玲也の家には透子(桜井ユキ)が突然訪問してきていた。戦闘力高そうなドレスやスーツではなく、ジーンズに優しい色のゆるいニットを着て、眼鏡をかけている。「ゆっくりしましょう」と言い、くつろいだ様子だ。

 透子も、玲也とソファでテレビを見ているうちに眠ってしまう。東京独身男子のセクシー担当と言っても良いくらい色気のある2人。でも、玲也は眠っている透子を愛おしそうに撫で、起こさないように頑張って毛布を取り、それをかけてあげた。手を出さなかったことで透子の信頼を得た玲也は、翌朝、透子の本名と職場を教えてもらうことができた。

 覚悟のなさと、愛おしさ。男子たちの心情を、かずなも透子も敏感に感じ取って反応する。

 玲也の行為は、もしかしたら「優しさ」ではなかったかもしれない。男性更年期障害の薬を飲んだ場面が描かれなかった。もし玲也が男性更年期障害でなかったり、薬を飲んでいたりしたら、透子に手を出していたのかも。

 でも、性行為という手段を失ったおかげで、玲也は透子と気持ちの面で距離を縮めることができた。加齢や衰えに焦る中年男性も、何かを失うばかりでなく、失うことによって何かを得られる。AK男子たちへの視線が優しい脚本だ。


東京独身男子 女性たちがほんとうにかわいい、応援してしまう イラスト/たけだあや

株を下げまくる馬鹿正直マン・太郎

玲也「平成ボーイズだ」

太郎「じゃあ、俺たちは?」

玲也「昭和ダンディガイズ」

かすな「ダッサ!」

 AK男子3人とかずなは、太郎の元恋人・舞衣(高橋メアリージュン)の結婚パーティにやってきた。舞衣の幼馴染だという若者たちに、AK男子たちは「あ! 親戚のおじさんとかですか?」と聞かれてしまう。

 その後も、岩倉(滝藤賢一)が「君、面白いねえ」と嫌味を言えば「よく言われます!」と素直な返事。「糖質制限してるんで!」と、若く健康な肉体を感じさせる発言。AK男子たちが独身だと知ると「なんか、すみません……」と気を遣った雰囲気に。

 年上の女性が若い女性に同じことを言われるシーンは、「女の敵は女」という構図を作りたいがためにやたらと使われる。若い男性の発言で中年男性がたじろぐというのは、なかなか見ない。実際の中年男性も、AK男子たちのように若さにあてられることがあるのだろうか。

 若い男性のうちの1人は、舞衣の初恋の相手だった。一緒に下校するなど、淡い恋の思い出があるようだ。太郎は、1番好きな女である舞衣の「最初の男」にも「最後の男」にもなれなかった。それでプライドが傷ついたのか、太郎は舞衣に「俺たち、付き合ってるんだよね。結婚を前提に」と、かずなを紹介してしまう。

 太郎は全然自分を好きではないと気づいたかずなは、パーティから帰ろうとする。そこに舞衣の初恋マンがやってきて、かずなの話を聞いてあげる。そして、落ち込んだ様子のかずなにしつこく付きまとわず帰す、という優しさを見せる。

 岩倉は、同居し始めた父親とは言い争いばかりのようだが、気は合っていて楽しそうにも見えた。3話で株が下がったのは、自分を好いている女性に「2番目の女」とバカ正直に宣言した太郎だけだ。

 玲也は性行為を失って愛情を得たが、太郎は舞衣を失ってもまだ何も得ていない。実は、一番心配なAK男子は、一番まともそうな太郎ちゃんだったようだ。

 「交際ゼロ日婚」でひと騒動起きそうな第4話は、今夜5月11日(土)23時15分から放送。

1話の名(迷?)言

2話の高橋一生

むらたえりか

宮城県出身のライター・編集者・ハロヲタ。 

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たけだあや

イラスト、粘土。京都府出身。

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