「バーチャロン」シリーズの筐体を再現したミニチュア模型が注目を集めています。ディテールの完成度もさることながら、なんとディスプレイに懐かしのゲーム映像が流れるのです。
こちらの模型を製作したのはおすとら仮面(@ostraking)さん。「超時空要塞マクロス」(画像左)と「電脳戦機バーチャロン」(画像中央)は、市販の筐体プラモデルに電子工作を施した作品。残る「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム」(画像右)は、ゼロから模型を作成したオールハンドメイドです。
以前から「バーチャロン」の“機体”を模型化していたおすとら仮面さんでしたが、「最もバーチャロン的な模型とは何か?」と思案した結果、「ゲームセンターで稼働する筐体こそがバーチャロンそのものを示すカタチである」という結論にたどり着いたといいます。
今回Twitterで話題になった「オラトリオ・タングラム」の動く模型については「バーチャロンといえばツイン筐体なのですが、オラタンの筐体を作るにあたっては当該タイトルに特有の出荷形態としてメガロ410筐体がありましたので、今回の模型はこの再現を目指したものです」とコメント。筐体マニュアルの図面を参考に、プラ板とエポキシパテで形状を出したアナログ造形だそうです。
ちなみに流れている映像はゲームセンターで当時本当に流れていた放置デモ映像。「INSERT COIN(S)」の表示がどうしても欲しかったため、わざわざゲーム基板を入手して直接キャプチャーしたのだとか。深いこだわりに痺れます。
アーケード筐体の魅力について、おすとら仮面さんは以下のように指摘します。
「模型は一般的に静的なもので、特定の時間切片を切り出した表現がなされることが通常です。逆に、いかにして動きや時間経過というものを表現するのかという点が模型製作(ことに情景模型)における課題となります。画面や電飾といいった要素を動かしてみせることでt軸、すなわち時間経過を表現できる点が筐体模型の強みです」
「ことにゲーセン筐体には放置時のアトラクトデモというものがあります。これを再現することで、実際にはただの繰り返しの動画再生であっても生き生きとした、生きた筐体であるかの様に見える点が大きな特徴の1つであると考えます」
「情景模型に一般的な要素である人物を加えず、ただ単体の筐体が放置デモを繰り返すだけの模型であっても見たひとが持つ過去の体験、記憶といったものが加味されることで単体模型でありながら情景模型の要素も併せ持つ、それがゲーセン筐体を模型で再現する醍醐味であると考えています」
おすとら仮面さんが次に製作しているのは、「バーチャロンフォース」のプレイヤーデータ作成などに使われた「ターミナル」。すでにデータは完成しており、3Dプリンタで出力中だといいます。
また他に作りたい作品を尋ねると「クレイジータクシー」「救急車」「バーサスシティ」などの名前が上がりました。「90年代半ばから後半に偏っていますが、これは自分がゲームセンターというものを最も楽しんだ時期である事によります」とのこと。完成したあかつきには、まさに情景模型として同世代のノスタルジーを想起させる作品になりそうです。
画像提供:おすとら仮面(@ostraking)さん
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