「西武のLaview」vs「東武の川越特急」 でっかい「乗り鉄釣り針」ルートに釣られてみた:パート2:月刊乗り鉄話題(2019年5月版)(2/2 ページ)
令和初乗りは特別運行Laviewに乗って小江戸川越へ行くちょい変旅。今回は特別運行Laviewの後半、所沢から飯能までの池袋線ルートを満喫します。「所沢駅の転線」が目玉です。
狭山市駅で降りて、バスで入間市駅に向かったら、もういちど「むさし90号」に乗れる!?
左カーブで基地を離れ、Laviewは入間市駅に停車します。各駅に停まる急行がいるせいか、少し長めの停車時間でした。西武新宿線と池袋線が近いので、「むさし90号」の最初の停車駅、狭山市駅と入間市駅の間も近いのです。直線距離で約2.66キロ。この2駅間は西武バスの「狭山27系統」が結んでいます。
そうなると……もしかしたら……。「むさし90号」を狭山市駅で降りて、バスで入間市駅に向かったら、もういちど「むさし90号」に乗れるかもしれない(!)。
時刻表を調べます。「むさし90号」の狭山市駅到着は13時11分ごろでした。バスの狭山市駅西口発車は13時15分。入間市駅13時33分到着。「むさし90号」の入間市駅発車は13時43分。あ、できる……。西村京太郎先生もビックリな時刻表トリックになりそう。
実は、私が乗った翌日、友人のシンガーソングライター、オオゼキタクさんが逆方向で成功していました。オオゼキさんは鉄道駅と鉄道駅をバスや徒歩で移動する「ショートカット旅」のコラムをニュースメディアに投稿しています。誰かがやりそうだと思っていたけれど、やっぱり、な……。
入間市を発車すると8分で終点の飯能に到着します。たった8分ですが気を抜いてはいけません。仏子駅を通過したあと、入間川の鉄橋を渡ります。今回の運行区間でもっとも長い鉄橋で、しかも高い柵がありません。Laviewの大きい窓は膝までありますから、直下の水面を見下ろせます。名所です。
皆さん、この眺めを楽しむならば「飯能行きはA席」「池袋行きはD席」を指定しましょう。ま、反対側の車窓も「となりの線路」をじっくり見られますがね。
飯能駅では特急用プラットホーム5番線に到着しました。本川越行き「小江戸92号」は約30分後、14時23分の発車です。Laviewはいったん回送列車となって引き上げていきます。その間、特急用プラットホームには特急Laview「ちちぶ28号」池袋行き、特急ニューレッドアロー「ちちぶ17号」秩父行きが発着します。どちらも満席でした。
※次回は、本川越に戻って小江戸の街を散歩しつつ、東武鉄道東上線の川越市駅から「川越特急」に乗ります
- →パート1:Laview特別ルート前編/本川越〜所沢
- パート2:Laview特別ルート後編/所沢〜飯能(今回)
- →パート3:川越特急/川越市〜池袋
杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)
乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。
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