「西武のLaview」vs「東武の川越特急」 でっかい「乗り鉄釣り針」ルートに釣られてみた:パート3:月刊乗り鉄話題(2019年5月版)(1/2 ページ)
令和初乗りは「西武のLaviewに乗って東武の川越特急で帰ってくる」ちょい変旅。ラストは本川越で西武鉄道から東武鉄道に乗り換えて「川越特急」を楽しみます。
「連休限定のLaview新宿線初運行」と「東武の川越特急」を楽しんだ令和最初の乗り鉄の旅。初回はゴールデンウイーク特別運行「むさし90号」に乗ったLaview特別ルートの前半。続いて前回はLaview特別ルートの後半、西武新宿線と西武池袋線が交わる「所沢駅の転線」と飯能までの池袋線ルートを満喫しました。今回は西武鉄道から東武鉄道に乗り換えて、小江戸の街と「川越特急」を楽しみます。東武と西武の楽しい特急対決、さてどうなることやら。
- →パート1:Laview特別ルート前編/本川越〜所沢
- →パート2:Laview特別ルート後編/所沢〜飯能
- パート3:川越特急/川越市〜池袋(今回)
帰路は東武鉄道「川越特急」に乗る! その前に「小江戸92号」で本川越まで戻る
<前回>はLaview特別ルートの後半、西武新宿線と西武池袋線が交わる「所沢駅の転線」と飯能までの池袋線ルートを満喫しました。今回は西武鉄道から東武鉄道に乗り換えて、小江戸の街と「川越特急」を楽しみます。
飯能まで来たら、西武秩父まで足を伸ばしたいところです。このとき14時ごろ。残念ながらこの時間帯の西武秩父行きLaviewはなく、次は飯能発18時15分の「ちちぶ29号」です。この時期だともう車窓が暗くなっています。そこで、もういちど臨時Laview「小江戸92号」(14時23分発)に乗って本川越に戻ります。今回は小江戸の街を散歩しつつ、東武鉄道東上線の川越市駅から「川越特急」で帰ることにしました。
東武「川越特急」も2019年3月にデビュー
「川越特急」は東武鉄道東上線で、2019年3月16日から走り始めました。池袋〜小川町間で、平日は下り2本上り3本、土曜休日は下り2本上り4本です。池袋〜川越間を26分で結ぶ列車で、特急券は不要、乗車券のみで利用できます。車両は通勤時間帯の座席指定列車「TJライナー」と同じ50090系を使い、進行方向に向かって座れる「クロスシート」です。
西武鉄道の本川越駅と東武東上線の川越市駅は約500メートルしか離れていません。徒歩で5分ほどです。川越小江戸の街から本川越駅までの通りは観光客で混み合い、クルマやバスも通るため、帰路は西側の通りがオススメです。住宅街の中に趣のある古い建物が残っています。人もクルマも少なく、歩きやすいです。
夕刻には午前中に発生した人身事故(関連記事)の影響も収まり、ダイヤは回復していました。ただし、本川越駅の留置線にあった「川越特急」で使われるラッピング車両は「普通 池袋行」の表示を出していました。車両のやりくりがつかなかったのか、たまたまこの日はここにいる運用なのかは不明。……川越特急とTJライナーで使う車両は他にもありますが、これに乗りたかったなあ。
16時50分、川越特急は定刻に川越市駅に到着。すぐに発車します。ラッピングなしの50090系電車でした。ふだんはロングシートの通勤電車として、朝夕は座席の向きを90度回転させて座席指定のTJライナーになる電車です。Laviewと違い、車内には吊り手がたくさん。車内広告も多数。かなり庶民的な雰囲気です。でも特急券なしで乗れるのはうれしい。川越を身近に感じられる列車です。
池袋行きの川越特急は、川越市を出るととなりの川越駅に停まります。ここはJR川越線の駅と並んでいます。JR川越線は埼京線に直通しています。川越は都心からのアプローチルートが3つもあるんですね。川越は観光客にとってアクセスしやすい街です。
川越特急は7つの駅を通過して朝霞台駅に停車。そして11の駅を通過して池袋に到着します。東京メトロ有楽町線・副都心線の接点である和光市駅や、快速急行が停まる志木駅、TJライナーが停まるふじみ野駅も通過です。気っ風の良い走りを楽しめます。座席にテーブルやコンセントはありませんが、通勤電車だと思えば仕方ないところですね。
ちなみに川越特急の池袋〜川越市間の所要時間は約28〜29分で、運賃は470円です。対して西武鉄道の池袋〜本川越間は、所沢乗り換えで急行と特急「小江戸」を乗り継いで約42分。運賃は470円で同じですが、特急料金が400円かかります。西武新宿〜本川越間は特急「小江戸」で46分。運賃は500円、特急料金は500円です。
こうしてみると、東武鉄道の川越特急は西武鉄道に対して、なかなか良い勝負をしているようです。運賃はほぼ同じ。所要時間は短い。設備面で特急車両のLaviewやニューレッドアローには見劣りしますが、特急料金なしで乗れる電車としては格上です。
もし東武鉄道が本気を出して、東上線に特急車両を導入したらどうなるでしょう。伊勢崎線系統の「スペーシア」「リバティ」のような。西武鉄道のLaview、ニューレッドアローと良い勝負になるかもしれません。運行区間を東上線の終点、寄居まで伸ばせば、秩父鉄道と乗り換え可能になります。川越と秩父、西武新宿線と秩父線の観光地を、東上線は1本で結びます。
かつて東武東上線には「フライング東上」という有料座席指定の行楽特急が走っていました。秩父鉄道にも乗り入れていました。しかし人気がなくなり廃止されています。今なら復活のチャンスかもしれませんね。
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難工事がようやく完成、利用開始は3月16日始発から。広くなって使いやすそうです。