advertisement
一部の白血病などの治療薬として期待される「キムリア」の保険適用を中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)が了承しました。薬価は約3349万円と、1回当たりの価格としては最高額になります。
患者から免疫細胞(T細胞)を取り出し、遺伝子を改変した上で点滴で体内に戻す「CAR-T細胞療法」と呼ばれる治療法で、導入は国内初といいます。既存の治療法が効かない白血病などに効果が高いとされ、投与は1回で済むとのことです。スイスの製薬メーカー、ノバルティスが米ペンシルベニア大学の研究者と共同開発しました。
3349万円という超高額な薬価ですが、中医協に提出された資料によると、(1)製造原価が約2363万円、(2)営業利益が約414万円、(3)流通経費が約68万円で、(4)消費税約228万円──の合計約3073万円に、治療法の有用性などを加味して補正をかけ、3349万円(正確には3349万3407円)と算定されました。
米国では5000万円を超える場合もあり、日本の薬価はこれでも安く抑えられています。さらに保険適用されたことで「高額療養費制度」を利用することができ、負担をかなり安く押さえられます。例えば年収約370万円〜約770万円の場合、薬代の負担だけなら約41万円で済むことになります。
ピーク時で利用患者は216人程度、市場規模は72億円と予測されています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「大学無償化」法が成立 無償化の対象、条件は?
進学する全員が無償化を受けられるわけではありません。 - 泉佐野市「非常に驚いている」 ふるさと納税新制度、4市町の除外を正式決定
総務省に理由を確認して対応を検討するとのこと。 - 泉佐野市、ふるさと納税で返礼率“60%”コース新設 新制度前の5月31日まで
“最終”キャンペーンになりそうです。 - PayPayの「第2弾100億円キャンペーン」が終了 今後はどうなる?
当面は毎月実施の「ワクワクペイペイ」。 - バンダイナムコのIP別売上高、ガンダムやドラゴンボールは大幅プラス、戦隊は半減……の明暗
難しいものです。