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不動産広告の「徒歩3分」は、誰にとっての3分なのか?

決まりはあるの?

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 マンションやアパートの広告を見ると、しばしば「駅から徒歩3分の好立地」などと書かれているのを目にします。



 ここで気になるのが「誰にとって徒歩3分なのか」という問題です。

 例えば、元気な若者と足腰が弱ってきた高齢者では歩くスピードがかなり違うはずですし、同じ歳でも普段から運動する人とそうでない人で差が生まれるはずです。

 「徒歩何分」はどのように決められているのでしょうか?


ルールにのっとっている

 実は、「徒歩○分」という数字は誰かが歩いて実際に測った時間ではありません。「不動産の表示に関する公正競争規約」(以下、表示規約)というルールにのっとって計算された数字なのです。

 この表示規約とは何かというと、不動産業界が誇大広告や過大な景品の提供などを取り締まるために自主的に定めたルールです。自主ルールではありますが、公正取引委員会の認定を受けており、違反した業者には違約金が課されるなどの罰則があるため、広く順守されています。


徒歩1分は「80メートル」


徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。
(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則)


 つまり、物件から駅やスーパーなどの各種施設まで歩く道のり(直線距離ではない)80メートルを1分に換算した数字が「徒歩○分」です。

 端数が切り上げられるので、駅から徒歩3分と表示されていた場合、駅とその物件までの道のりは160〜240メートル(160メートルちょうどは含まない)の範囲にあります。また、どんなに駅から近くても徒歩0分とはならず、徒歩1分と表記されます。


あくまで「距離」

 この基準では単純に距離で測っているため、信号や踏切での待ち時間や、きつい坂道は考慮されていません。



 また物件と各種施設の敷地の最も近い地点同士をつないだ道のりであるという点にも注意が必要です。例えばマンションやスーパーの敷地が広く、入り口から道路に出るまで距離がある場合でも、その距離は含まれていません。


まとめ

 徒歩○分の表示は常に信号に引っ掛からずに分速80メートルで歩く人を想定しているため、あくまで目安です。お部屋探しをするときは、実際に歩いてみるか、Googleマップで検索してみるのがよいでしょう。

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