四天王寺といえば、聖徳太子の戦勝祈願をきっかけに建立されたと伝えられる歴史ある寺院です。この由緒によって聖徳太子信仰の中心として栄えてきた古刹(こさつ)が、なんと今、増田こうすけ『ギャグ漫画日和』(現在の題は『ギャグ漫画日和GB』、以下『ギャグ漫画日和』/集英社)とのコラボイベントを開催しています。期間は6月5日〜9日までです。
告知ポスターには『ギャグ漫画日和』の聖徳太子が、ジャージではなく本家の聖徳太子の装いで登場。まさか「本家」の聖徳太子と「飛鳥文化アタック」をする方の聖徳太子がこのような形でコラボするとは、誰も予想できなかったのではないでしょうか。
一体なぜこの企画が実現したのか? ねとらぼ編集部では、四天王寺に取材を行い、今回のコラボの経緯を聞きました。
新時代の布教
――四天王寺さんがマンガやアニメとコラボしたのは、今回が初めてなのでしょうか。
はい、初めてです。
――なぜコラボすることになったのでしょうか?
今回四天王寺では「霊場巡拝(おまいり)いこか」というイベントを企画しまして、昨今の御朱印ブームも加味して40年ぶりに「出開帳」をすることになりました。これは新西国霊場のいろいろなお寺の職員さんが四天王寺に集まって、来場した方へ御朱印を授与するものです。
昔ならば催しものの広報はポスターや直接信徒さんにお伝えするなどの方法で行うのですが、今の時代に「仏さまはありがたいですよ」と言うだけでは物足りないと考えました。そこで40〜50代の若手住職・副住職が集まり、「聖徳太子ゆかりのマンガを取り上げるのはどうか」という話になったのです。聖徳太子や四天王寺が出てくる作品はこれまで多数ありましたが、若い人に人気がある作品といえばやはり『ギャグマンガ日和』だろうと考え、集英社に連絡を取りました。
――四天王寺さんからもちかけた企画だったんですね。
そうなんです、集英社さんの持ち込みだと勘違いしている方もいるみたいですが(笑)。最初はチラシ用にイラストを描いていただくだけで話が進んでいたのですが、それだけでは味気ないのでがっつりコラボして『ギャグマンガ日和』の20周年を盛り上げたいと考えまして、今回「ダンボール迷路巡礼」をすることになったんです。
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