非効率と言われても牛丼屋で「ごちそうさまでした」 丁寧なサラリーマンを描いた漫画に「無くしちゃいけないものがある」
効率的な食事を突き詰めると、SF作品みたいに必要な栄養素が入って満腹感を得られるサプリメントを服用するだけになるかもしれない。
効率主義な現代に順応するために食事にも効率化を求める人と、手軽さ重視のチェーン店でも味わって店員さんへのお礼を忘れない人を描いた漫画が「どうなんだろうね」と問いかけて話題になっています。
ある有名牛丼チェーン店で、カウンターに並んで食事をしている2人組のサラリーマン。一人がまだ食べ終わっていないもう一人に対して、「どんだけ時間かけて食ってんだよ!」とかなり怒っています。
先輩と思われるサラリーマンは、さらに彼を非難します。「お前ムダが多すぎ! こんな回転と手軽さ重視のチェーン店の飯、味わってどーすんだよ? 数字より人情で商売してるようなもんだぞ」。先輩は牛丼屋という手軽で効率的に食事ができる場所で、非効率的に食事をすることを真っ向から否定しています。「『無駄な一言』より『確実な一手』っての覚えとけ!」
先輩はイラついたまま、外で待つと店を出ていってしまいました。後輩くんは残りをかき込み、すぐに立ち上がって店を出ようとしたところ「あっ」と何かを思い出したように店員さんを振り返ります。
「ごちそうさまでした。美味しかったです」と軽く一礼。これには淡々と仕事をしていた店員さんも、その様子をずっと見ていたお客さんも、思わず表情を緩めてしまいます。
先輩にしてみたら「ごちそうさま」は“無駄な一言”かもしれません。それでも注意されたばかりだというのに、彼は店員さんに「美味しかったです」を言うことを忘れませんでした。果たして、店員さんにとっての“確実な一手”はどちらだったでしょうか。
読者からは「もし自分が取引先だったらその上司よりこの後輩くんと契約したい」「他人への感謝や礼節を忘れた人に頼み事はしない」「無駄をなくした結果、人情もなくなった社会はイヤですね」などの後輩くんの行動を称賛する声が多く届いています。
作者は漫画家の河上だいしろう(@kkkkrrtt)さん。現在マンガクロスで『シガレット&チェリー』を連載中、コミックス5巻が発売中です。
画像提供:河上だいしろう(@kkkkrrtt)さん
河上だいしろうさんの書籍(Kindle Storeで配信中)
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