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G20対策で東京の駅トイレからサニタリーボックスがなくなった? 鉄道各社に対応を聞いた

JR東日本、JR西日本、東京地下鉄(東京メトロ)、西武鉄道、東京都交通局(都営地下鉄)に聞きました。

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 6月28〜29日に大阪で開催されるG20サミット。鉄道駅での警戒警備を強化するために、関西や関東の主要駅構内でのコインロッカーやごみ箱が利用停止となっています。その対策の中で、女性トイレのサニタリーボックスが一部の駅で利用できなくなっていると困惑が広がっています。

 Twitterで大きな話題になっていたのが、東京・池袋の駅トイレ。女性トイレ個室内のサニタリーボックスは主に使用済みの生理用品などを捨てるのに使われますが、G20開催の影響で封鎖(撤去)されているため、「困った」という声が上がっています。中には使用済み生理用品をトイレットペーパーにくるんで個室内に置いていくケースもあるようです。

 ねとらぼ編集部が取材したところ、実際に西武池袋線池袋駅の女性トイレのサニタリーボックスが撤去されていました。「お願い G20大阪サミット開催に伴い、警備体制強化のためゴミ箱を封鎖いたします。ご協力をお願いします」といった案内が個室内、更衣室前、洗面台前に貼られています。ですが、封鎖されている「ゴミ箱」にサニタリーボックスまでが含まれるとは思わない女性が多いのではないでしょうか。

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西武池袋線の池袋駅の女子トイレ
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サニタリーボックスが撤去されています
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扉側にもありません

 G20サミット期間中は、関西・関東の鉄道会社が各社テロの未然防止などを目的とした対策を行っています。JR東日本、JR西日本、東京地下鉄(東京メトロ)、西武鉄道、東京都交通局(都営地下鉄)に「サニタリーボックスを撤去しているか」を聞きました。結果、各社で対応が分かれていることがわかりました。

JR西日本、JR東日本、東京メトロ「撤去の対象ではない」

 JR西日本、JR東日本、東京メトロは、主要駅でコインロッカーやごみ箱の利用停止をしています。ただし、女性トイレのサニタリーボックス(や、おむつを捨てるバケツなどのごみ入れ)は「撤去の対象ではないため、撤去していない」と回答しました。

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自動販売機横のごみ箱などは封鎖・撤去されています(写真はJR池袋駅)

都営地下鉄、西武鉄道「撤去している」

 都営地下鉄は、以下の主要21駅でコインロッカーやごみ箱が利用停止状態となっており、サニタリーボックスも対象となっていると回答しました。

都営地下鉄の対象駅

【浅草線】三田駅、大門駅、新橋駅、日本橋駅、東日本橋駅、浅草駅

【三田線】三田駅、日比谷駅、大手町駅、神保町駅、春日駅

【新宿線】新宿三丁目駅、市ヶ谷駅、九段下駅、神保町駅、馬喰横山駅

【大江戸線】新宿西口駅、飯田橋駅、春日駅、門前仲町駅、勝どき駅、大門駅、 六本木駅、青山一丁目駅、新宿駅


 また、西武鉄道も主要駅やターミナル駅で撤去、封鎖していると回答。両社の担当者によると、国土交通省と連携したテロ対策の中に「ごみ箱の封鎖・撤去」があり、その中でサニタリーボックスも該当するものとして認識し、撤去しているとしています。

2020年、どうなってしまうのか?

 今回のサニタリーボックス撤去を巡っては、「せめて持ち帰り用の袋などを設置してほしい」といった声も上がっています。外出時はトイレのサニタリーボックスで生理用品を捨てることが一般的なため、持ち帰り用の袋を常備している女性は多くありません。また、持ち帰る際に衛生面やにおいなどのことを考える必要があります。駆け込んだトイレにサニタリーボックスがなかった――というときに、すぐに対処することは難しいでしょう。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック期間には、主要鉄道会社がさらに長期にわたってテロ対策を行うと予想されます。サニタリーボックスが撤去の対象になるべきなのか、またもしその判断になったとき、どのように周知や対策をするべきなのか。もっと議論が必要なのではないでしょうか。

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