インタビュー
“どこにでもいる普通の先生”が過労死ラインを突破する根本原因とは 現役教師が語る「ブラック職場としての学校」(2/3 ページ)
教員の部活動の負担を減らす動きが進んでいますが、「根本的な問題はそこじゃないだろ」。
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教員採用率のジレンマ
―― 働き手が増えたら、負担が減る。分かりやすい話なのに、どうして教員は増えないんだろうね。
自治体の懐事情もあるかもだけど、採用倍率の問題もあると思う。教員の正規採用の倍率は中学校で5倍、小学校で3倍ちょっとくらいだったかな。これって、実はけっこうギリギリな状況らしいんだよ。
―― どうして?
どこ情報かは知らないんだけど「採用倍率が3倍を切ると、採用者に不適切な人材が混ざってしまう」という説があるらしくて、教育委員会はそれ以下にならないようにしてるみたい。長時間労働を是正するために採用数を増やしたら、倍率が落ちちゃうでしょ?
―― 何で3倍なの?
そのボーダーラインの根拠は、俺にもよく分からない。まあでも「採用倍率が下がったら、教員の質が維持できない」という懸念は的外れじゃないでしょ。
―― でも、教員の長時間労働はニュースなどでも問題視されてるわけじゃない。このままだと教員になりたい人が減って、それこそ採用倍率が落ちちゃうんじゃない?
「月曜日から金曜日まで朝6時半〜20時半まで仕事、さらに週末も働いてください」みたいな仕事やりたいですか、って話だよね。そりゃあ「ヤダ!」って思うだろうね。
―― 教師になりたい人を増やすには、どうしたらいいと思う?
給与を上げることでしょ(即答)。どう考えたって仕事量に見合ってないもの。
(続く)
※本企画は、1人の現役教員の声をそのまま記事化したものです。実際の労働環境は自治体、学校などによって異なる可能性があります。
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