群馬県太田市の地ビールブランド「CHROA(クロア)」のラベルにつづられた文章がぶっとんでいるとTwitterで話題です。お前は今幸せか?
弾けるタンバリンの如く襲いかかる酸味にマウントされ狂った果物たちが身勝手な高アルコールを雇い君を玩具にする自惚れた味。薄れゆく意識の中
クマのマディに問われる
「お前は今幸せか?」
この液体は大人という生き方を耐える為の麻酔であり脳内改革を誘発する。
ーー「CHROA TAMBOURINE」ラベルより
「大人という生き方を耐える為の麻酔」……味が想像できるようなできないような、ビールの説明としてはなかなか難解な詩です。
今回話題になっているのは新作ビール「CHROA TAMBOURINE(タンバリン)」ですが、過去には別の味でも話題になりました。「赤い秘密にしたい味」「嫉妬した身勝手なモルト」「胃に送り出す深い赤褐色の液体」「柑橘アロマと苦味の忖度」……どれもラベルの詞が独特すぎる。
それもそのはず。どうやら、こちらの詩はビールの味だけを伝えることが目的ではないようなのです。
アートクラフトビアである「CHROA」のコンセプトは、「ビール業界にないファッション感覚と人間のサガやタブーを味とデザインでストレートに表現していく」こと。ビールのおいしさはあくまで表現の手段。つづられた詩もまた「CHROA」というブランドの世界観のためにあるのでしょう。考えるな! 感じろ!
そんな「CHROA」シリーズのプロデュースを務めているのが、片岡達也さん。世界的なファッションホイールデザイナーでもある片岡プロデューサーに、今回話題の「TAMBOURINE」について聞いてみました。
――新作のラベルに込めた思いを教えてください。
片岡:クマのマディに問われる“おまえは今幸せか?” このビールはここにすべてが込められています。このストレス社会に生きるすべての大人たちにもういちど考えてほしかったのです。答えが見えたとききっとタンバリンの音が聞こえるはずです。
――パッケージのクマ「マディ」がかわいくもロックですが、こちらのキャラクターはどのように生まれたのでしょうか。
片岡:よく覚えていませんがこの新麦酒の試作の試飲の段階でタンバリンの音がしたのです。そして私は傷だらけのクマの縫いぐるみを抱いた少女をイメージしたのです。もともとこのクマのマディは縫いぐるみで、持ち主の農家娘のジェニーという少女と描かれていました
マディは子供の頃からジェニーと一緒にいたのに、15歳の誕生日ジェニーはテディベアに乗り換えたのです。私自身が描いたストーリーとはいえ、ジェニーにムカついてきてラベルから外してしまいました。押入れの中にある玩具と一緒に閉じ込められたマディの呪いです。耳には安全ピン、尻にはマチ針、それは自分の傷口を癒すものではなく攻撃するために備えているのです。このビールはクマのマディの涙です。
ビールは「CHROA(クロア)」公式サイトから購入可能。現在「TAMBOURINE」は注文が集中しており、発送まで2週間待ち。人間本来のサガを刺激する味に興味を持った方はぜひチェックしてみましょう。
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えぇ……(困惑)。