展示台には何も置かれていないのに、ハッキリと影だけができる不思議な「不可視彫像」が話題になっています。すごいしか言えなくなる。
どう見ても何も無いのですが、手に持った懐中電灯で照らすと、そこに彫像が置かれていないとできないはずの影が壁にできます。一体どうなってるの……?
さらに照らす角度を変えると、その影も当たり前のように形を変え、「現実にある」と存在を主張しているかのようです。近づいていき、“(見えない)台の上の彫像”を押すような動きをすると、なんと台の上から落ちる音がして影も無くなります。そしてしばらくすると、上から降ってくるように別の彫像の影が。不思議すぎて、だんだんホラーに思えてくる……。
制作者は、メディアアーティストの坪倉輝明(@kohack_v)さん。今回の「不可視彫像」は、VRの技術を応用して2〜3年前に制作した作品で、「VRクリエイティブアワード2017」にて審査員特別賞、「Mashup Awards 2017」ではInteractive Design部門の最優秀賞を受賞しています。
仕組みを簡単に教えてもらうと、まず懐中電灯のようにみえるものは、実はトラッキング用のセンサー。それにより三次元の動きをリアルタイムに取得し、PC上で作った現実空間と同じ3D空間内で光や影をシミュレーションした結果を、現実世界へプロジェクションマッピングしているとのことでした。現実とVRの世界とがつながるような体験が最高にワクワクする……!
ちなみに坪倉さんは石川県・金沢工業大学出身で、卒業制作で初めてのメディアアート作品「Shadow Touch」を制作。同作品は“実態のない影に指で触れる”というもので、「不可視彫像(不可視美術館)」はその続編ともいえる作品です。そして今回、石川県「サイエンスヒルズこまつ」で開催される「マジカリアル」にて不可視彫像が展示されるとのことで、巡り合わせを感じる企画展となっています。開催期間は8月1日〜8月25日まで。
他にも不思議で実際に楽しめるさまざまな作品を作っており、YouTubeや坪倉さんのホームページにて公開中。気になった方は、展示情報をチェックして実際に体験してみるといいでしょう。
坪倉輝明さんの作品(一部)
「幻想シアター」
今年制作された新作。舞台の上に立つと、自分が伝説上の生き物に変身します。いわゆる“インスタ映え”なフォトスポットをインタラクティブにしたものとのこと。
「空想ジオラマ」
坪倉さんいわく「子供の時に遊んだ車遊びをテクノロジーでアップデートして、子供の無限の想像力を見ている周りの人も楽しめるように可視化した作品」。ただの車のオモチャが電車にもヘリにも飛行機にもなる、子どもの頃の豊かな想像世界を表現しています。
画像提供:坪倉輝明(@kohack_v)さん
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