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今期もすごいぞ、NHKよるドラ「だから私は推しました」 アイドルヲタのドラマかと思いきや、まさかのミステリー展開(1/2 ページ)

リアル過ぎるアイドル現場は既視感ありまくり。

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 「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」「腐女子、うっかりゲイに告る。」など、若い世代をターゲットとした尖ったテーマのドラマを放送しているNHK「よるドラ」枠。今期の「だから私は推しました」(NHK・土曜23時30分〜)がスタートした。

 「地下アイドルと出会い、オタク沼にズブズブとハマッていくOLのドラマ」という事前情報だったので、ごく普通のOLが、色々あって地下アイドルにドハマリしていく過程を描いたコメディとかかな……と思っていたら、第1話の最後でとんでもない方向に展開していった。


だから私は推しました 「腐女子、うっかりゲイに告る。」のNHK「よるドラ」枠からまた凄いドラマ誕生の予感 イラスト/北村ヂン

リア充に見られたかったアラサーOLがアイドルにハマる

 リア充に見られたいアラサーOLの遠藤愛(桜井ユキ)は、アフター5にはジムやヨガ、平日の夜は映えるレストランで女子会、週末は彼氏とデート……。その都度、SNSに写真を投稿し「いいね」を集めて自分が「推されたい」人間だった。

 しかし彼氏から、SNSに依存しまくった生活を全否定され、別れを切り出される。

 ショックのあまりスマホを落としてしまった愛は、拾った人がいるライブハウスまでスマホを受け取りに行くことに。そこで「サニーサイドアップ」という地下アイドルのライブに遭遇。

 歌も踊りもダメ、思いっきり挙動不審なメンバー・栗本ハナ(白石聖)を見た愛は、背伸びしてリア充な友人やハイスペ彼氏と付き合っていた自分の姿を見るようでイラつき、絶叫してしまう。

 「何でアンタがそこにいんの? ひとりだけダンスはできないし歌は下手だし。実力ないのにしゃしゃり出て。身の丈分かってなくてマジで痛い! 大体、何その前髪! コミュ障か!

 失恋した直後で、さらに泥酔していたにしても、だいぶやらかしておる!

 しらふに戻って、さすがに申し訳ないと思った愛は、ハナにあやまろうと次のライブにも参加。指摘された前髪を切り、不器用ながらステージに立ち続けようとしているハナの姿を見て心打たれ、推していくことを決心する。


だから私は推しました 思いっきり挙動不審なメンバーを演じる白石聖のアイドルオーラ、これは推せる! イラスト/北村ヂン

リアルなアイドル現場は既視感ありまくり

 愛のリア充ぶった生活はかなり誇張されて描かれていたが、一方、アイドル現場の雰囲気はやたらとリアルで、現場に通っている人からすると既視感ありまくりだったのではないだろうか。

 「目玉焼き」をモチーフにしたアイドルグループの変な自己紹介(「は〜い、今日もあなたに目玉焼き! みなさまの小さな太陽になりたい、私たちサニーサイドアップです!」)、アイドルのサインを入れたTシャツをそのまま来ているオタク、達観した箱推しの古参オタ、オタ芸&MIX……すべてがそれっぽい!

 この辺の現場の空気感は、「地下アイドル考証」として参加している元・地下アイドルでライター・歌手の姫乃たまの監修によるところも大きそうだ。

 「アイドル現場」を想像上のステレオタイプなシーンにせず、キッチリ監修を入れて作り込んでくるのはさすがNHKといったところだろう。民放が同様のドラマを作ったら、いまだにバンダナ&ジージャンのオタクが登場しそうだ。

 ちなみに姫乃たまは、ライブハウスの受付役としてドラマ内にも出演していたが、元・アイドルのオーラゼロで無愛想に対応する姿がこれまたリアル。

 「バンドが好きでライブハウスに入ったのに、なんでアイドルの受付やらされてるんだよ」空気を放っている愛想のない店員(のわりに、水野しずのTシャツを着ていたが)、いるわー……。

 「心が弱っているとき、アイドルにハマりやすい」とよく言われるが、失恋したタイミングで、不器用なアイドルが必死にがんばっている姿に自分を重ね合わせて、まったく興味のなかった地下アイドルにドハマリしてしまうという、愛の心の変化にも共感できる人は多いのではないだろうか。

 ダメダメなアイドルゆえにファンが少なそうなハナと、はじめて人を「推す」ことを決めた愛。初々しいふたりのぎこちない出会いは、見ていて微笑ましかったのだが……まさかあんな展開になろうとは!


だから私は推しました アイドルライブ会場のひとりひとりの描写が超リアル イラスト/北村ヂン

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