米国上院議員のロバート・メネンデス氏が、Amazon社のCEOジェフ・ベゾス氏に「Amazon's Choice」のラベルを貼る決定基準について質問状を送付し、海外メディアの注目を集めています。
質問状の冒頭には「利用者が低品質な製品を購入するよう欺くのではないかと懸念している」と主張があり、ラベルの信ぴょう性については過去にも海外メディアで指摘されていました。
問題となっているのは、通販サイトAmazonが使用している「Amazon's Choice」というラベルの基準についてです。このラベルはいくつかの製品に付いており、Amazon.co.jpでは「Amazon's Choice は、すぐに発送ができて、評価が高く、お求めやすい価格の商品をおすすめします」と説明されています。
質問状では、「ラベルをつける製品を決定するプロセスの詳細な説明」や「Amazon's Choiceの製品は『高い評価で、良い値段設定で、即座に配送できる』とあるが、“高い評価”と“良い値段”をAmazonはどう定義しているか」など、かなり踏み込んだ情報開示を求めています。
メネンデス氏が「Amazon's Choice」ラベルの基準について問う理由は、品質が十分ではない製品に貼られている場合があるためです。質問状によると「温度を正確に判定しない幼児体温計」と悪い評判がある製品にも「Amazon's Choice」ラベルが付けられていたといいます。利用者の多くはこのラベルを信頼し、購入を検討している可能性があり、OC&C Strategy Consultantsが行った調査では、「Amazon's Choice」の表示がなくなった製品は「平均して30%ほど売上が落ちた」と発表されています。
「Amazon's Choice」ラベルが付いた製品には、「新生児には使用できない」との説明書きがあるにもかかわらず、「赤ちゃんアイテムのリストに加えておくといいですよ」というレビューが書き込まれているものもあったといいます。つまり不正なレビュー操作により、意図的にラベルを獲得している販売業者がいる可能性があるということでしょう。質問状には「Amazonが不正なレビューの問題解決に努めていることは把握しているが、問題は続いている。同社は詐欺的なレビューがついた製品を(Amazon’s Choiceで)積極的に宣伝することで問題を悪化させているかもしれない」とも記されています。
メネンデス氏が質問状を送付したのは現地時間で8月12日ですが、数日が経過してもベゾス氏やAmazonの対応は報道されていません。生活インフラになっているといっても過言ではないショッピングサイトの今後の対応が気になるところです。
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