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「通報するより撮影する人が多い」 ロンドン消防隊が火災現場での通報呼びかけ

スマホで録画より通話をするよう呼びかけ。

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 ロンドン消防隊の公式Twitterアカウントが「火災現場に消防車がいないからといって、誰かが既に呼んだはずだと考えてはいけません」と動画とともに呼びかけました。同隊では、「#Call999BeforeYouFilm」というハッシュタグで、スマホ撮影をする前に999(英国の緊急通報用電話番号)へ通話するよう注意を促しています。


「通報するより録画する人が多い」 ロンドン消防隊が火災現場での対応呼びかけ 撮影より通話が優先(画像はロンドン消防隊公式サイトより)

通報を呼びかける消防隊責任者ポール・アシューさん(動画より)

 動画で消防隊責任者のポール・アシューさんは、ロンドンのメイフェアという地区で発生した火災現場での経験を語っています。2018年11月に起きたその火災では、15件の通報があり、8台の消防車が出動したそうです。しかし現場に到着したアシューさんの目には、15人よりもはるかに多い人数の人がスマホで火災現場を撮影していたといいます。通報件数は、火災の深刻度を予測するための指標として活用しているため、通報しない目撃者がたくさんいることで、出動車両や隊員が不足する危険があるそうです。


 2019年8月15日より、ロンドン消防隊の公式サイトはロンドン市民に対して「#Call999BeforeYouFilm」というハッシュタグとともに、録画よりも先に緊急通報を行うように呼びかけを開始しています。「ソーシャルメディアは価値あるツールではありますが、良くない点としてドラマチックなコンテンツを共有することでイイネやリツイート稼ぎに集中しすぎてしまうことがあります。そしてそれは緊急通報を行うことよりも優先されてしまうのです」と意見を述べました。


 ロンドン消防隊が発表した「Incident response times - Fire Facts」によると、2018年に発生した深刻な火災の40%以上は、発火から通報を受けるまでに10分以上の時間がかかったとされています。同隊は「迅速に電話をしてくれるほど、私たちもまた迅速に現場へかけつけることができます」と市民へ協力を呼びかけています。


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