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夜なべしてHTML、おばあちゃんにフォトショをおねだり…… 「キラキラ素材屋さん」管理人が当時を語る悪友ナイトレポート

「キラキラ素材」、覚えてますか?

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 みなさんは「キラキラサイト」という言葉をご存知ですか? 2000年代初めに女子のあいだで流行したピンク、水色、黄色などのパステルカラーを基調とし、キラキラとかわいらしくデコレーションされた個人ホームページのことをあらわした言葉です。

 個性あふれるキラキラサイトを作るために必要不可欠だったのは、Webサイトを華やかにする背景画像やアイコン、装飾等を配布するサイト「素材屋さん」でした。当時は素材屋を含むホームページのランキングサイトが複数あり、トップランカーはまさにあこがれの存在だったのです。

 同人サークル劇団雌猫が8月24日に開催した「悪友ナイト」では、当時圧倒的な人気を誇った素材屋さんの管理人が登壇し、キラキラサイト文化について語りました。

キラキラ素材
平成の思い出、「キラキラ素材屋さん」の管理人が当時を語ります
キラキラ素材

かわいい個人ホムペに必須! キラキラ素材サイトの管理人に聞く

 劇団雌猫はかんさん、ひらりささん、もぐもぐさん、ユッケさんの4人からなる同人サークルで、2016年冬から同人誌『悪友』シリーズを制作しています。同人誌・書籍に関するイベントを不定期で開催しており、今回の「悪友ナイト」は今夏頒布された「悪友vol.5 平成」にちなんだものです。

 登壇したのは当時、女子小中学生に絶大な人気を誇った大手素材屋さん「Honey Drop」管理人・ミスズさんと、「ABC」管理人・まいまいさん。2000年代序盤〜中盤にかけて、コミュニティサイト「ふみコミュニティ」には300サイトほどの素材屋さんが登録するランキングが設けられていましたが、両サイトともに常時トップ5位をキープするほどの人気でした。

キラキラ素材

 ハイクオリティな素材をいくつも配布し、サイトも頻繁にリニューアルし、ハイペースに更新されていた「Honey Drop」「ABC」両サイト。運営していたミスズさん、まいまいさんは、ファンと同世代。当時現役の中高生でした。

 「結構ハードな部活をしながら素材屋さんをやっていたので、朝練も放課後の練習もあって……部活の合間を縫って、家に帰ってごはんを食べたらずっとパソコンで作業」「親に勉強しなさい! って叱られるので、家族が寝静まってから起きてまた作業して。で、トイレに起きてきた父親にめちゃめちゃ怒られてました」(ミスズさん)

 「学校が終わったらバイトをして、空いている時間はほぼパソコンに向かってました」「稼いだバイト代でWeb Art Designerを買って、Photoshopはおばあちゃんにおねだりして買ってもらいました(笑)」(まいまいさん)

 学生生活とサイト更新を両立していた2人。睡眠時間や私生活を削り、素材屋さん運営に情熱を燃やしていました。

 同い年の2人はサイト運営当時から交流があり、相手のサイト用に素材を作り、それを交換し合ってサイトをリニューアルする「共同リニューアル」もたびたび行っていました。「お互いをライバル視したことは?」という質問には「まいまいは毎回ブームを生み出すので、すごいなと思ってました。みんなの流行りを作るんですよね」とミスズさん。お互い意識し合うことはあっても、深夜の作業時にはメッセンジャーで語り合っていたそうです。

素材屋さん、もうかってたの?

 そんな2人が実際に対面したのは、ミスズさんが23歳の頃。大阪在住だったミスズさんの上京を機に会うことになり、その時のことをまいまいさんは「(素材のイメージと同じ)ピンクでフリフリな人が来るんだと思ってたら、シンプルな作家さんみたいな人が現れてびっくりしました(笑)」と語りました。

 1日に約2000人が訪れる日もあったという「Honey Drop」と「ABC」。「ぶっちゃけもうけてましたか?」という質問には、2人とも「作った素材は無料で配布していたので、全くもうけられないですよね……」「サーバー代やソフト代でむしろ赤字でした」と苦笑い。

 それでも素材屋さんを続けていたのは、素材を利用してくれる人の感想や感謝の言葉が原動力となっていたから。「借ります!の一言が嬉しかった」「どういう風に素材を使ってくれているか見に行くこともありました」との言葉に、「Honey Drop」の素材利用者だったもぐもぐさんは「ちゃんと感想が届いてたんだ〜!当時のファンにとっては管理人さんは神のような存在だったので、なんだか浮かばれました」と当時を振り返っていました。もぐもぐさんいわく、大手の素材屋さんには毎日たくさんの利用報告があったため、管理人さんの返事は「ありがとうございます!(テンプレ)」のみ、ということも多かったそうです。

 2人とも現在は素材屋さんとしての活動は行っていませんが、素材屋さんの経験を生かした道に進んでいます。ミスズさんは、自分のセンスを生かしてモノを作る楽しさを知ったことで、フォトグラファーの道へ。精力的に作品作りを行っています。初期の作品にはカラフルなモチーフが多く登場することもあり、「発想のルーツがキラキラ素材にある感じ」(ユッケ)。

 「Photoshop歴15年だから、友人の神絵師に使い方を教えてあげられるんですよ」と語るまいまいさんは、現在は同人作家としてイラストを描いたり、グッズを制作したりしているそう。当時2人のファンだった女性も多い客席に向け、「サイトをみなさんが覚えてくださっていたことに感動しました! みなさんと出会うきっかけを作った当時の自分に”ありがとう”と言いたいです」と当時を振り返りました。

 終始平成を懐かしみつつ進んだ今回の「悪友ナイト」。素材屋さんだけではなく、「キリ番」「直リンク禁止」「お題サイト」などのなつかしインターネットワードや、「スクロールしても流れないよう、ページの右下にCSSで画像を固定」「サーバーが重くなるから基本的に直リンク非推奨」「好きなキャラからメールが来た風の”メル画”文化」など、「平成ネットあるある」が次から次へと飛び出しました。

キラキラ素材
劇団雌猫のメンバー

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