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運行は「週1本」 ……は? それだけ!? なぜ? 超レアすぎる路線バスに乗ってみた【写真21枚】(1/2 ページ)

もし乗り遅れたら「来週まで来ない」。ひぇぇ……ウソだろ。そんなバスが神奈川県にあります。

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 「路線バス」は、鉄道と並ぶ身近な公共交通機関です。駅まで、学校まで、会社まで、普段利用している人は多いことでしょう。都市部ならば1時間に数本、人里離れた山間部などの路線であっても数時間も待てば多くの場合、バスはやってきます。

週に1本しか運行していない超レアな路線バス「平44系統」だ!
週に1本しか運行していない超レアな路線バス「平44系統」

 しかし「1週間に1本(!)」という路線バスが神奈川県平塚市にあります。もし乗り遅れたら「来週まで来ない」。ひぇぇ……ウソだろ。そんなバスが神奈川県にあるのです。

 神奈川県平塚市は人口約26万人のかなり大きな市ですが、週に1本という路線バスにどんな需要があるのでしょうか。そもそもどんなバスなのでしょうか。実際に乗って確かめました。

「週1本しか運行しない路線バス」、果たしてどんなバスなのでしょう

平塚駅の東口に来ました
「週1本」の路線バスに乗るためにやってきた平塚駅東口 しかも日曜日の早朝6時半

 JR平塚駅の東口は、12の乗り場がある大きなバスターミナルがあります。今回乗車するのは神奈川中央交通(神奈中)の「平44」系統。3番乗り場から出発します。

3番のりばに「平44」の名前を確認
3番乗り場で「平44」を確認

 現時刻は日曜日の朝6時30分。この平44系統は「休日ダイヤ6時40分発の1本」しか運行していません。あ、分かりやすく週1本としましたが念のため、休日ダイヤは日曜日と祝日に運行するものなので、月曜日が振替休日の場合は2日連続で運行されます。

早朝の3番のりば。先客もいました
早朝の3番乗り場。先客もいました
「消防署前・さざれ石経由小田原行」が平44系統。本当に1本だけだぁぁ! 平日土曜の便はそのそも列さえ省かれています
「消防署前・さざれ石経由小田原行」が平44系統。本当に1本だけだぁぁ! 平日と土曜は運行なし(時刻表では列さえ省かれていました)

 出発3分前。いよいよバスがやってきました。 乗客は4人。バスは定刻の6時40分に出発し、平塚駅前の大通りを西に向かって進みます。この道は毎日1時間に10本以上のバスが走る区間です。

横から1枚
平44系統は平塚駅から、二宮駅、国府津駅を経て、小田原駅まで行く路線
大通りを走る平44系統。早朝のため、お店はほとんど閉まっている
大通りを走る平44系統から見た平塚駅前の街の様子。休日の早朝だったので、お店はまだほとんど閉まっていた

 古花水バス停を越えて国道1号線に入り、大磯町へ。「大磯駅には参りません」との車内アナウンスがあります。JR大磯駅へ行くならば「大磯局前」バス停で降りるとよいでしょう。

大磯町に入り、花水橋を渡ります。貨物列車が向こうに見えました
大磯町に入り、花水橋を渡る。貨物列車が向こうに見える休日の朝の景色

 バス停では1人降り、2人降りてはまた1人が乗り……と、利用客は意外と入れ替わります。早朝で道路も空いているせいか、たびたび時間調整のための停車をしながら、バスは西へと進みます。

 「大磯プリンスホテル入口」バス停で完全に乗客が入れ替わるとここはもう二宮町。国道1号から外れ、JR二宮駅に立ち寄ります。ここで5分ほど停車をします。

二宮駅に到着
JR二宮駅に到着
「小田原行」は表がぜんぶピンク! このスペースに対して数字はひとつだけ
平44系統の我がバス「小田原駅行」はこれだけのスペースを取リながらも、やはり休日ダイヤの1本だけ。潔すぎ!

 JR二宮駅でわたし以外の乗客が下車し、ここからは貸切状態になりました。

貸切状態のままバスはさらに進みます
いよいよ「乗客=わたしだけ」の貸切状態に

 バスは箱根駅伝でフリーザ様が出る地点(参考記事)として知られる「押切坂」を越え、西湘バイパスと並走しながらJR国府津駅へ向かいます。左手は海です。

テレビで見覚えのある押切坂を、力強く登っていきます
箱根駅伝で見覚えのある押切坂
進行方向左手には海が!
進行方向左手には海が!

 二宮駅〜国府津駅の区間は他社のバスも含めて本数は少なく、1時間に1〜2本ほどでしょうか。一方、並行するJR東海道線は1時間に5本程度の運行があります。

国府津駅に到着
JR国府津駅に到着

 JR国府津駅から先、JR小田原駅までの区間を走るバスはこの1本だけです。ちなみに国府津駅〜小田原駅間のバス停に停車するバスは、この平44系統と小田原から平塚へ折り返す「平45」系統の1往復だけ。行きと帰りでは小田原駅付近で一部別のルートを通るために系統番号を分けたそうですが、この平45系統も休日ダイヤの朝に1本のみの運行で、復路の線と位置付けられます。

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