10月20日は「リサイクルの日」です。10(ひと回り)、20(ふた回り)の語呂合わせから、1990年に日本リサイクルネットワーク会議により制定されました。
また毎年10月は、リデュース・リユース・リサイクル推進月間(略称:3R推進月間)」でもあります。
あふれるゴミ問題、天然資源の枯渇、さらには地球温暖化などさまざまな環境問題を抱える今、身近にできるリサイクル、ひいては3Rについて、この機会に考えてみませんか。
消費過剰になれば、ゴミは増え続け、大量焼却は二酸化炭素を生む
日本人1人が1日に出すゴミの量は約1kg。家庭ごみの年間発生量は約5000万トンにもなります。さらに、産業ゴミの発生量は年間約4億トン。この数字の蓄積を思うと、恐ろしい気持ちになりますね。
リサイクルが提唱されるようになった背景には、大量生産・大量消費がよいとされた時代が長く続いたことにあります。生活が向上し、物質的に豊かな恩恵を受ける一方で、大量に排出されるゴミや天然資源の過剰使用、それに伴う環境破壊や汚染、生態系や気候の変化といったさまざま問題が浮上するようになりました。
たとえば紙の原料である木材も、人間による消費速度が過剰になれば、生態系のバランスが崩れてしまいます。
また、現在大きな問題となっている海洋プラスチックゴミ問題も、海の生態系に甚大な影響を与えています。さらに、石油・石炭・天然ガスといった化石燃料を燃やすことで、私たちに必要なエネルギーの8割を得ていますし、この化石燃料を使用したプラスチックなどの化学製品を大量焼却することで、二酸化炭素量も増えることになってしまいます。
3Rに取り組むことで資源を節約し、自然環境を守っていく
こうした環境負担を減らすための心がけとして提唱されているのが「3R」と言われるものです。3Rとは、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つの頭文字をとったもの。
- リデュース…ゴミになるものを最初から減らす
- リユース…繰り返し何度も使う
- リサイクル…資源に戻して再利用する
優先順位としては、まずムダなものを買わない=ゴミの総量を減らす(リデュース)、さらに使えるものは何度も使い(リユース)、そのうえで使えないものは回収して再資源化して再利用する(リサイクル)ことが求められます。
10月20日はリサイクルの日ですが、リサイクルによりゴミの総量を減らし、自然環境を破壊していくことを防ぐことや、再加工した製品を使うことで天然資源の節約に取り組んでいくことを考えるよい機会ですね。
持続可能な社会のためにできることを。まずはリサイクルできるものを知っておこう
リサイクルできるゴミは、自動車、家電製品、パソコン、スマホ、ビン、缶、紙、ペットボトル、プラスチック容器など多岐にわたります。
たとえば、石油を原料とするペットボトルは、繊維やシートに再加工され、制服やユニフォームなどの商品になる場合もあります。
また、2013年から施行された小型家電リサイクル法によって、使用済みパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機、時計、電子レンジ、ドライヤーなどから貴重な資源が「発掘」されています。
ちなみに日本で1年間に使用済みとなる小型家電は65万トンにおよび、そのなかから取り出せる有用な金属は28万トン、金額にして844億円もあるとされているから驚きです。
ゴミ問題やリサイクルについてもまだ解決すべき問題は山積していますが、企業間でも脱プラスチックへの取り組みが見られるなど、循環型社会についての動きはさまざまなシーンで見られています。
何より、いちばんの消費者である私たちができるリサイクルについて意識を向ける……。これがとても大切であることは間違いないですね。
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