アニメーターが1日500人規模の海外アニメイベントに行ってみた ドイツのアニメファンに触れてみて(1/3 ページ)
1日500人、3日間で1500人程度を動員するイベント「アニメフェスティバル・フライブルク」の様子をお届け。
今回取り上げるのは、独・フライブルクで9月20日〜22日にかけて開催されたアニメイベント、「アニメフェスティバル・フライブルク」。来場者数は3日間で1500人ほどと、比較的小規模なイベントです。
海外のアニメ系イベントといえば、米・ロサンゼルスで開催されている「Anime Expo」や仏・パリの「Japan Expo」などの大規模なものを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかしそうしたイベントの一方で、欧米で小規模なイベントが多数開催されていることは、あまり知られていません。
ドイツでは、参加人数500人〜2500人程度のイベントが、年間25回ほど開催されているとのこと。なかなか日本まで入ってこないこうしたイベントの様子について、「アニメフェスティバル・フライブルク」にゲストとして参加した、アニメーターの三木達也さんにお話を聞きました。
三木さんはアクションやエフェクトを得意とするアニメーターで、「進撃の巨人 サードシーズン」ではアクション作画監督として参加。海外でアニメ文化がどのように受け入れられているかを見てみたかったことが、イベント参加の決め手だったそうです。三木さんがメディアの取材を受けるのは初。インタビュー前半ではイベントの様子を、後半では三木さんの業界歴についても語ってもらいました。
街の写真を生かしたライブドローイング
――イベントお疲れ様でした。今回のイベントは主催側がTwitterでゲスト募集を行った流れもユニークでしたね
三木:そうですね、何人か応募があったみたいです。その中から自分が選んでいただけたのは、ドイツでも人気の「進撃の巨人」などに参加していたからかもしれません。
――海外イベントに参加されるのは初とのことですが、準備で大変なことなどはありましたか?
三木:パスポートの申請期間がカツカツだったのが一番慌てました。発行には写真付きの身分証が必要なのですが、免許も持っていなかったので、マイナンバーカードを急いで発行したり……。
――参加にあたり楽しみにしていたことは?
三木:生で海外のアニメファンと触れ合う機会はなかなかないので、実際に会ってみたかったんですよね。
――「アニメフェスティバル・フライブルク」はローカルなイベントながら、入場料を高めに設定することで日本からゲストを呼べる仕組みになっているそうですね。(※大人の当日券が20€〜25€=約2400円〜3000円/参考:小さなアニメイベントを日本人ゲストと盛り上げるためには=日独交流最前線 - COMEMO)
三木:ヨーロッパだとこうした小規模のイベントが結構開催されているそうなんですよね。会場は学校の講堂くらいのイメージで、1日500人、3日間で1500人ほどが来場するイベントでした。
――イベントでは何をやられたのですか?
三木:イベント期間中は毎日ライブドローイングとサイン会をして、最終日には質問コーナーも行いました。ライブドローイングは1時間くらいで描く流れで、始めは「間に合うのか?」と不安でしたが、30分くらいで行けそうだと分かったので、作業中も客席からの質問に答えたりしました。
――ライブドローイングで描くテーマはどのように決めていったのでしょうか。
三木:。当初「『進撃の巨人』みたいに屋根の上を走る画をお願いしたい!」というお話もあったんですが。
――それは、1時間だと……
三木:「進撃」のアクションはめちゃくちゃ手が込んでるので、全部描くとなると1時間では厳しいなあと(笑)。そこで、「開催地であるフライブルクの街の写真を使ってキャラが動いたら楽しいんじゃないか」という提案をいただきまして。それなら行けそうだということで、初日の朝イチで写真を撮りに、街を見て回りました。
――作画は紙で?
三木:普段は紙で作画していますが、筆圧がめっちゃ薄くてカメラに映るか怪しかったので、ライブドローイングでは「CLIP STUDIO」を使いました。CLIP STUDIOは使えるっちゃ使えるけど、過去10回くらいしか使ったことがなかったので、そこだけが不安でした。
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