マーベルやDCの海外作品のみならず、『僕のヒーローアカデミア』『ワンパンマン』などなど、すっかりヒーローものの人気が定着してきた昨今。そんな中『週刊少年チャンピオン』で連載中のヒーロー漫画『SHY(シャイ)』(実樹ぶきみ著)の単行本1巻が12月6日に発売されました。
それは人類史上、もっとも心が意味を持つ時代――。戦争がなくなった21世紀の地球、世界各国でスーパーパワーを持つヒーローが活躍し、人々の平和を守っています。
主人公である14歳の少女「シャイ」こと紅葉山テルもその1人。きゃしゃな見た目からは想像できない力を持っていますが、彼女には大きな問題がありました。それは、その名前の通り、とてつもなく恥ずかしがり屋であるということ。とにかく人前に出たりするのが苦手なのです。
それに加えて若さゆえに判断力が甘く、時として思わぬ失敗をしてしまってふさぎこんでしまう場面も……。
でも、シャイにはほかのヒーローたちに負けない強みがありました。それは、平和に暮らす人々に悲しい思いをさせないという「心」の強さです。たとえ落ち込むことがあっても、人々の心を守るため困難に立ち向かっていきます。まだまだヒーローとしては未熟ですが、それでもひたむきに突き進んでいく姿勢が魅力的です。
幼くもひたむきなシャイの活躍と成長が主軸となっている本作ですが、彼女をとりまくほかのヒーローたちも大きな魅力です。ロシアのヒーロー「スピリッツ」ことペペシャはお酒が大好きで常に酔っぱらっているけれども、シャイを見守りピンチには駆け付けてくれる姉御肌。
また、伝説的な存在としてたたえられているイギリスのヒーロー「スターダスト」ことディヴィーは、あらゆることを完璧にこなす豊富な実績を持つ一方、決断や行動に一切の感情を介さないサイコパスな一面があり、心を大事にするシャイとは真逆の存在となっています。
そしてヒーローものになくてはならないのが、ヴィランの存在。1巻ではテル(シャイ)の同級生の「心」につけこみ、ヒーローの在り方を揺さぶる嫌らしい宿敵「スティグマ」が登場します。第1話で、戦争がなくなり「人類史上もっとも心が意味を持つ時代」と強調されていましたが、シャイとスティグマの対決を通して、どんな心の物語が展開されていくのでしょうか。
ヒーロー漫画で女の子が主人公という目新しさもありつつ、「真っすぐな成長物語」「ヒーローたちが対立/協力しあうドラマ」と、直球な楽しさが詰まった本作。今後が楽しみです。
(エンジン)
『SHY』第1話を特別掲載!
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