前世の記憶……前回だけでなく、生まれ変わったすべての記憶を持っている主人公の少年。彼は生まれて死ぬことを繰り返すうち、その生涯で必ず同じ女性に恋をすることに気が付きます。同時にその女性とは決して結ばれることはなく、恋人同士になると必ず二人そろって死んでしまうのです。
何度繰り返しても訪れる死の運命を避けるため「今回の人生では、彼女と出会っても決して恋をしない」と決めていた主人公でしたが……物語は思わぬ結末によって締めくくられます。
作者は漫画家のさわむらリョウ(@R17sw)さん。スマホマンガアプリ『マンガボックス』にて、分裂系ラブコメ漫画『分裂ラバー』が連載中、単行本も2巻まで発売されています。
「彼女とは絶対に恋をしない」と決めていた主人公でしたが、恋人の生まれ変わりの女性とはすでに出会っていました。
彼女はストレートな好意を見せますが、受け入れれば死の運命が待ち受けているのです。不幸な結末を避けるため、抱く恋心を押し殺し素っ気なく応対する主人公。彼女の一挙手一投足がものすごくかわいい……。
死への警戒を怠らない主人公をよそに、彼女は無邪気にはしゃいでいます。猫を見付けてなでくり回す彼女を見て「前世と変わらないな」と、少しだけ安心するのですが……。
座り込んだ彼女を目掛け、操作を誤った車が飛び込んで来ました。主人公はとっさに駆け出し助けようとしますが……。
同時に彼女も何かに気が付き、主人公に駆け寄ろうとします。なんと車は2台飛び込んで来ており、二人は同時に轢かれそうになっていたのです。
死の運命がやってきたのか……と思いきや、車はどちらも奇跡的に逸れ、二人は命を取り留めました。主人公をかばい軽い怪我を負った彼女でしたが、流れる血にも構わず笑顔で「大丈夫?」と声を掛けます。
前世までの彼女が見せることのなかった、芯の強さにときめく主人公。彼女は心の底から安心した表情を見せ「生きててよかったぁ」とつぶやき抱き付くのです。
彼女を見た主人公は、改めて「彼女が死ぬ所は見たくない。幸せになってもらうためにも、やはり彼女に恋をしてはいけない」と決意するのですが……。
ここで視点が彼女へと移ります。彼女は主人公を助けようとした時に「思わず前の名前で呼んじゃった」と心の中で思います。
実は彼女も、前世の記憶を持って生まれ変わっていたのです。そして決して結ばれない運命を知りながら、それでもなお主人公と一緒にいたい、と願うのです。
物語は「でも、いつか悲しい別れになるとしても……死ぬまで一緒にいてもいいですか?」という彼女の独白と、小さな声でつぶやいた「……好き」という台詞で締められます。
何度繰り返しても避けられなかった運命をはねのけ、今回の人生でこそ結ばれて欲しい……そうなってくれることを願うばかりです。
作品提供:さわむらリョウ(@R17sw)さん
(たけしな竜美)
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