Netflixで先行配信中のリアリティーショー「テラスハウス」。見知らぬ男女6人が“テラスハウス”――すてきなおうちで出会い集団生活をする番組だ。現在は東京を舞台に、「テラスハウス TOKYO 2019-2020」(通称東京編、新東京編)が放送されている。
「テラスハウス(テラハ)」は恋愛リアリティーショーと表現されることも多い。ただ、シリーズを通して見るとわかるのだが、「ただリア充が恋愛しているのを見てやいのやいの言う」ことだけが番組の魅力ではない。
もちろん恋愛模様は盛り上がるポイントのひとつではある。実際、視聴者は出演者同士の恋愛模様に期待していることがほとんどで、恋愛的な進展がほとんど起こらない展開が続くと視聴者から「何をしにテラハに出ているのか」「ただ住んでいるだけだったら卒業しろ」というキツいコメントが寄せられることもある。また、“女同士のギスギスバトル”などのステレオタイプ的な期待を視聴者が持っていないとは到底言えない。
しかし、テラハ好きに話を聞くと、注目するポイントは恋愛だけにとどまらない。これまで出会ったことのない背景の人間たちが突然集団生活に投入されたとき、どんな化学変化が生まれるのか。みな大なり小なり「番組出演をきっかけにして有名になりたい」という思いを抱いている人間たちが、その思惑のもとにどう行動するのか。結果、人間はどう変わり、どう変われないのか。そんな“人間ドラマ”に期待しているのだ。
1月28日に配信された第31話「PUBLICITY STUNT」は、視聴者が期待するドラマ“全部乗せ”の回だった(※この先、ややネタバレになるので要注意)。
噴出する“水回り問題”
現在のテラスハウスのメンバーは、水越愛華(大学生)、田渡凌(プロバスケ選手)、木村花(女子プロレスラー)、ビビ(ラズドゥミナ・ヴィオレッタ/モデル・女優)、小林快(スタンダップコメディアン志望)、トパス・ジョンキンバルー(リリーフランキーの付き人)の6人。
ここ数週間は、凌・花・ビビの“三角関係”にスポットが当たっていた。31話は、凌のどっちつかずなスタンスにビビのフラストレーションが爆発。その憤慨につられるように、女子部屋で女子3人が凌への不満を噴出させた。
「彼が本当は何をしに来たのかがわからない」と漏らす花に、愛華がこう返す。「私は勝手に売名って思ってるよ」。そしてそのあと出てきた不満が、水回り(の掃除)についてのエピソードだった。
実は水回りの不満は、テラハでは“あるある”。シーズンに1つはどこかしらで爆発するものだ。視聴者目線だと好感度が高い人物が妙にメンバーから避けられており、ふたを開けてみれば全然洗い物をしていなかった……と明らかになったこともあった。
「結局洗い物も、最初の日に言ってたけど、だからといって……」(愛華)「あのあと台所と冷蔵庫掃除したの私と愛華ちゃんだもんね。文句言うだけ言って……とりつくろってる感が強い」(花)
この会話には“伏線”があった。19話、加入したばかりの凌が水回りの汚さを指摘するエピソードがあるのだ。台所に放置してある鍋を見て「マジ汚いこの家」と呟き、風呂場の汚さに辟易(へきえき)とする凌。そのあきれによって、しばらく入居者たちの水回りへの意識が強まった……かのように見えた。
しかし愛華や花の会話を聞くと、凌は「水回りの汚さを指摘」はするものの、「自分で掃除する」ほうではなかったようだ。もちろん、テラスハウスメンバーの忙しさには差があり、あまり家にいない人とずっと家にいる人の違いが出てくることはある。それでもやはり、「口は出すけど自分はやらない」人間への心象は悪いのではないだろうか。
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