総合人材サービスを提供するパーソルキャリアは2月10日、「女性の平均年収ランキング2019」を発表しました。ランキングの元になったデータは、男女の差が少ない20代以降、女性がキャリアを築き続けることの難しさが見てとれる結果となっています。
同ランキングは、2018年9月〜2019年8月に、同社が運営する転職サイト「dodaエージェントサービス」に登録した、20〜65歳男女のオフィスワーカー職種の正社員約40万件のデータをもとにしたものです。
職種別の1位は「投資銀行業務」の693万円
2019年の女性の平均年収ランキングのトップ3は、1位「投資銀行業務」693万円、2位「リスクコンサルタント」591万円、3位「戦略・経営コンサルタント」576万円でした。2018年の1位から3位は、「業務改革コンサルタント(BPR:Business Process Re-engineering)(642万円)」、「弁護士(632万円)」、「アナリスト(金融系専門職・603万円)」となっており、前年とは異なる職種がランクインしています。
ランキング上位10位のうち、最も多くランクインした職種は「コンサルタント・専門事務所・監査法人専門職」で、3職種でした。男女関係なく、目に見える実績が評価に直結しやすいコンサルティング職種が上位となる傾向が強いようです。
また、21位の「メディカル・化学・食品系エンジニア」の「医薬品開発薬事(490万円)」は、全167職種の中で唯一、女性の平均年収が、男女を合わせた「総合版」の平均年収を上回っています。同じ「メディカル・化学・食品系エンジニア」カテゴリの「非臨床研究(542万円)」や、「企画・管理職」カテゴリの「広報・IR(435万円)」も、総合版の平均年収との差が少ない職種でした。
女性全体の平均年収の分布では、300万〜400万円未満の層の割合が最も高く、全体の36.8%を占めています。年収が400万円を超えている女性の割合は全体の27.7%、年収500万円以上になると、その割合は全体の11.1%に低下。このデータを、男女合計した平均年収の分布と比較すると、女性のキャリア形成に大きな課題があることがわかります。
年代・年齢別
女性の20代の平均年収は319万円、30代は375万円、40代は401万円、50代以上は428万円という結果になりました。
20代は昨年からの変動がありませんでしたが、30代は−7万円、40代は−12万円、50代以上は−13万円と、各世代ではそれぞれ減少傾向にあります。
年収分布では、20代は300万円未満の層、以降の年代では300万〜400万円未満の層の割合が最も多くなっています。なお、男女全体の平均年収とは、40代で約100万円、50代以上では約200万円の差が生まれています。
女性の年収には、出産や育児によるキャリアの分断が大きく影響しますが、これにより女性の管理職が男性に比べて極めて少なく、昇給の機会に恵まれないことが男女の年収差の原因として考えられ、この点が社会的な男女差を埋めるための今後の大きな課題だと言えそうです。
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