不死になって約1300年生きている男を描いた漫画『かぐや姫にもらった不死の薬を捨て損ねた男の話』が、主人公を見守りたくなってしまいます。
まだ“岩笠”の名前で帝に仕えていた岩傘さん。かぐや姫は帝に不死の薬を贈りましたが、かぐや姫と一緒にいられないなら不死に意味はないと思った帝は、岩傘さんに薬を捨てるように命令しました。本来であれば富士山に捨てるはずの薬。それを岩傘さんはあろうことか、飲んでしまったのでした。
1300年ほど経った現代、不老不死の岩傘さんはサラリーマンをしています。帝の勅命に背いたことへの罪悪感を持っていたかどうかも忘れてしまうほど生き続けた結果、岩傘さんは感情をなくしそうになっていました。生き生きとしていた平安時代の頃の気持ちを取り戻したい。そう思うようになっていたのです。
営業に出ていた岩傘さんは、かわいい動物が出てくるカプセルトイのマシンを発見。子どもたちが一喜一憂しているのを思い出してやってみることに。ところがウサギのキーホルダーが欲しいのに、出るのはゴリラばかりです。
負けじとカプセルトイを回していくうちに、この小さな箱がもたらすおもむき深さを感じるようになりました。それはまるで帝と雅な遊びを楽しんだ時のような高揚感。そしてウサギとゴリラのキーホルダーを手に入れ、ささやかな喜びを得ることができた岩傘さんだったのでした。
漫画は主人公の「岩傘調(@iwks_mtg)」のTwitterアカウントで公開中。Twitterでは漫画と共に、日々の出来事も投稿しています(漫画は隔週土曜日に更新予定)。おいしいゼリーに感情を取り戻しそうになるなど、岩傘さんの日常を応援したくなる……。年上なのに、年下を見守るようなかわいさを感じる。
ちなみに岩傘さん、かつて土佐日記を読んでいたときは、一行目で爆笑するくらいに心が生きていたそうです。感情豊かな日常を取り戻せるようになると良いですね!
画像提供:岩傘調(@iwks_mtg)さん
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