2011年3月11日に発生した東日本大震災から今日で9年です。地震だけでなく、近年、平成30年7月豪雨や令和元年に発生した2つの台風など、大雨による災害も頻繁に発生しています。災害から身を守るためには、お住まいの地域の災害リスクを知り、リスクを最小限にとどめるために事前に準備することが大切です。
今回は、災害への備えとして、市区町村で作成されている「ハザードマップ」と、事前の防災行動計画である「タイムライン」についてお話します。
「ハザードマップ」で災害のリスクを知ろう
「ハザードマップ」とは、「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」のことです。各市区町村で作成されていて、洪水や内水、土砂災害、地震、津波などの種類があります。各市区町村のサイトに掲載され、市役所などで配布されています。また、国土交通省ハザードマップポータルサイトで確認したい自治体を選ぶと、掲載されているサイトが表示されます。
この図は、千代田区の洪水ハザードマップ(荒川版)です。荒川の流域で最大規模の大雨が発生した時、荒川の堤防が複数箇所決壊した場合に想定される浸水の深さや避難方法などを表示したものです。浸水の深さは色別に表示されていて、例えば、水色は1mから3m未満の浸水が予想される区域です。避難場所や救急医療施設、情報の伝達方法なども分かりやすく記載されています。お住まいの地域のハザードマップを確認することで、災害が発生した時の被害がどの程度なのか、どこに避難すればよいのかなどを視覚的に把握することができます。
「タイムライン」を作成して、慌てずに行動しよう
「タイムライン」とは、災害時に発生する状況をあらかじめ想定し、「いつ」「誰が」「何をするか」を明確にして時系列に整理した計画のことで、「防災行動計画」といいます。国や地方自治体、住民などが連携してタイムラインを策定することで、災害時に素早い対応を行うことができます。
こちらは、台風が発生した時のタイムラインのイメージです。台風が上陸すると想定されるときからさかのぼって、国や市町村、住民がとるべき行動を時系列でまとめます。時間はあくまで目安で、実際の状況によって変わることもありますが、事前に心構えができていれば対応できます。
情報をうまく活用して、日頃の備えに役立てよう
災害時には、気象庁から発表される防災気象情報、市区町村から発令される避難情報、防災無線、河川の水位観測情報など、さまざまな情報が発信されます。日頃から、ハザードマップのほかにどのような情報があるのかを確認しておくと、いざというときに落ち着いて行動することができます。情報をうまく活用して、ぜひ家族みんなで事前にできることを確認しておきましょう。
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