新型コロナウイルスの影響により、各地で卒業式の簡素化や延期が聞かれるなか、3月14日にあるマインクラフトのワールドでバーチャルな卒業式が華やかに催されました。なんと、企画者も参加者もみんな、オンラインで知り合った小中学生たち。会場の体育館も、もちろんマイクラでの手作りです。
小中学生たちは「Crossroad's建築専門学校」という、いわばマイクラの専門学校を設定し、マルチプレイで開催。会場にイスや赤じゅうたんなどを配し、雰囲気たっぷりの会場を協力して作り上げています。そして入場から来賓の祝辞、卒業証書授与まで、現実さながらの段取りで式をとり行いました。
「卒業おめでとう」と優しくしめくくられたこの式は、ある参加者の父親、柏原周平(@backyennew)さんがTwitterで紹介したことから広く拡散。「すばらしい想像力」「たかが子どもの遊びとは決して言い切れない可能性を感じる」「ゲームの良い一面」などと話題を呼びました。
柏原さんに詳細を聞いたところ、式には息子さんがいつも一緒に遊んでいる、全8人のマイクラ仲間が参加。2019年度で卒業する中学3年生のメンバーが主催し、みんなで協力して作り上げたそうです。動画の収録外では、校歌斉唱や記念撮影も実施。みんなでジャンプして写真を撮ろうとする様子が楽しそうだったといいます。
息子さんたちの試みについて、「たまたまでしたが、気がつけて良かったです。会ったこともないけれど気が合う仲間がオンラインにいて、毎日楽しく遊び、その子の卒業をみんなで祝う。絆を感じました」と柏原さん。「マインクラフトの楽しみ方は僕にはよく分からなかったのですが、今回、息子の利用のしかたに予想外の気づきをもらいました」と語ります。
柏原さんの教育方針は、「まずやるべきことを全て行ったうえで、真面目に本気でゲームに取り組む」。姿勢を正し体調を管理し、ゲームができないような環境や状態にならぬよういつも注意しろと教えてきたそうです。
その結果、息子さんは毎日、夜更かしせずにゲームのできる時間を増やすよう努力しているそうで、気の合う仲間とパーティを組み、ボイスチャットを楽しみながらさまざまなゲームを遊んでいるとのこと。柏原さんは「僕たちのころとはゲームとの付き合い方が違うようにも感じます。もっと当たり前に存在する遊び場の1つといったところでしょうか」と、感心している様子でした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.