道路の案内標識と言えば、青地に白の文字の「青看板」を想像すると思います(関連記事)。でも、高速道路では青ではなく「緑色」が使われています。
「何を当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、これって不思議じゃありませんか。どうして色が違うのでしょうか。調べてみました。
「青を緑と誤認」したから……? 2つの候補、欧州式の「青色」とアメリカ式の「緑色」があった
道路標識の色は「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(総理府・建設省令第三号:昭和三十五年十二月十七日)」(以下、標識令)によって定められています。
NEXCO西日本の「よくあるご質問」によると、視認性の観点から、案内標識は「青と白」「緑と白」の組み合わせが見やすく、一般道は青地に白、高速道路や自動車専用道路は緑地に白が使われます。なお、青地の一般道の案内標識にも、行き先が高速道路ならば高速道路番号と名称を緑地の白字で分けて表記します。これも標識令によって規定されています。
標識令は1963(昭和38)年の名神高速道路開通に向けて公布されました。検討にあたり、欧州式の「青色」と、アメリカ式の「緑色」の2つの候補がありましたが、高速道路での走行実験において、ヘッドライトに照らされた青色の反射シートを実験の参加者全員が「緑と誤認」したことから、高速道路では緑色が採用された、といわれています。
なお、標識令によって定められているのは「青」か「緑」という大まかな色味までで、厳密なカラーコードまでは決まっていません。首都高とNEXCOでは緑は緑でも色調が微妙に異なり、首都高の方が明るい緑色なのだそうです。
参考までに、最近できたスマートICの「ETC出口」表示は「紫地に白字」で分けられています。こちらもこの標識令によって規定されています。
(少年B)
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筆者はほとんど読めなかったことを先にお詫び申し上げます……。