※この記事は青柳真紗美さんのnote「ワンオペフリーランスが2週間の外出自粛&自宅保育中に『心を守る』ために試した16の工夫(継続中)」を転載したものです。
シングル家庭の我が家ではこの2週間、4歳半の息子と2人で自主隔離をしていました。4月7日の緊急事態宣言によって、あわせておよそ1カ月半の自宅保育&在宅ワークがほぼ確定しました。
ただ、5月の連休明けに状況が劇的に改善している可能性は五分五分だと思っていて、さらに長期戦になることも覚悟している今、テーマは「心を守ること」。
さすがにここまで長期間、息子と2人きりの生活は初めて。在宅で仕事ができる職種で、ありがたいことに一日中自宅で過ごさせてもらっていますが、個人的に一番恐れているのは、心の余裕を失って息子に当たってしまうこと。これからも試行錯誤を繰り返しますが、記録をかねてこの2週間に試してきたことを書いておきます。
1.情報は徹底的に絞る
Yahoo!ニュースはドメインブロックする
ドメインブロックとは、特定のドメインをブラウザに表示できないようにすること。Yahoo!さんにはなんの恨みもないし仲の良い社員さんもいるので心が痛むのですが、私はHSP(敏感すぎる人)とは言わないまでも共感力がすごく高くて、ニュースにぶら下がってるヤフコメを見るとものすごくダメージを受けます。
そのため特にこの1カ月は「SiteBlock」というドメインブロックのアドオンをChromeに入れて、Yahoo!ニュースを表示しないようにしました。インターネットで読むのは時事通信、NHK、CNNのニュースのみ。テレビは見ません。ちなみにLINEニュースなども設定を変えて非表示にしています。
Twitterは1日10分までで強制ブロックする
同じように、SNSにも没頭しすぎないように気をつけています。語調が厳しいツイートが多く目に入ってくると、内容はどうあれ見れば見るほど不安になるし、つらくなるのです。スマホからはSNS系のアプリを消しました。特にTwitterは個人的に好きだし、友人とのつながりも感じられるので休みの日には設定を解除することもありますが、平日は上記の「SiteBlock」を使って10分間の時間制限をかけています。
2.朝は心を整える
世界のディーバたちの歌で踊る
朝起きたら、大好きな洋楽を聴きながら、朝家事のルーティンを一通り済ませて気分を上げます。
1人で踊っていることもあります。息子が起きてくる前に心を整えておくことで、息子に対しても安心感を与えられたらいいな、と。
ビヨンセ、アリアナ・グランデ、ビリー・アイリッシュ、ケイティ・ペリー、アギレラ、PINK、ガガ様も大好き。ちなみにミッシー・エリオット世代でHipHopも大好きです。日本のアーティストだったら、朝聞くならSuperfly!
新旧入り混じってますが、ひたすら上がっています。音楽の力はすごい!
瞑想アプリで心を整える
朝家事が一段落してもまだ息子が寝ている時は、お香をたきながらアプリを使った瞑想をします。以前はモーニングノートを書いたりしていましたが、今の私にはガイダンス付きの瞑想が合っています。使っているアプリは「Meditopia」。
瞑想といっても、目を閉じて座禅を組むだけではなく「息を吸って、吐いて」「足の裏の感覚に注意を向けてみましょう」など、音声によるガイダンスがあるので、とてもやりやすいです。マインドフルネスの健康効果はさまざまな研究で実証されていますが、こればかりはやってみないとわからないと思うので、気になる人はぜひ一度試してみてください。
このアプリでは、今だと「内なる平和」といったプログラムなどが用意されています。運営側の努力をひっそりと感じています。
息子とのラジオ体操でアクセルを踏む
息子が起きてきたら、朝食前に「Alexa、ラジオ体操をかけて」で、本気のラジオ体操第一を。息子は見よう見まねです。ただ踊っているだけなかんじも否めませんが、私にとってはかなり良い気分転換になっています。
3.息子の自宅保育は、「譲れないもの」だけ残す
朝食前には着替えさせる
1日家から出ないならパジャマのままでもいいかな、と思いがちなのですが、朝食前には必ず着替えさせるようにしています。
気持ちの切り替えをつけるため、ということもありますし、散歩や買い物に行きたいときにすぐに出かけられない状況はお互いにストレスになるからです。また、パジャマのままで1日を過ごすと「お風呂もスキップでいいか……」となってしまうのが(私の性格上)目に見えているので、生活のリズムを守るためにも着替えさせています。
「ママちゃんがっこう」を朝食後に開催
自粛が長期化することを前提に、自宅での保育について改めて見直しました。
今、試験的にやっているのが朝食後に行う「ママちゃんがっこう」です。保育園でのパターンを見ていると、午前中に手先を使うようなワークを行い、お昼ごはんの後は昼寝や自由遊びなどゆったり過ごさせていることが多いなと思います。おそらく、集中力が一番高くなるのが午前中だからなのでしょう。
基本的に子供の集中力は10分もてば良い方なので、ひらがなの練習と、工作系のワークを合計で30分ほど、一緒にやるようにしています。ひらがなは、10文字書いたら終わり、という時もあれば、何度も同じ字を書いたりなぞったりしていることもあります。
工作も、ハサミなどを使って細かいものを作るときもあるし、ダンボールで人形のお家などをつくることもあります。
「できたかどうか」は今は気にしていません。息子の中である程度満足いくまで制作活動ができて、かつ「ママは1日の最初に自分に向き合ってくれた」と満足している様子なら目標は達成、ということにしています。
日中はハードルを地の底まで下げる
日中は、息子に対してできるだけ細かい事を言わないように心がけています。
同じ空間にいると母モードが作動してしまうので、基本的には部屋を分けて過ごしています。
テレビが見たいと言われれば基本的には見せるし、お腹がすいた、と言われればごはんやおやつを出します。牛乳パックの開け方と注ぎ方、こぼしたときの処理の仕方を小さい頃に教え込み、コップは息子の手が届く位置に置いているので、飲み物は自分で冷蔵庫を開けて飲んでいます。
できるだけごはんやおやつは一緒に食べるようにするけれど、息子が1人で食べたいと言ったらそれに任せます。ちらっと覗くと食べながらレゴで遊んでいることもありますが、あまり口うるさく言わないようにしています。そのかわり、夜ごはんは必ず一緒に食べる、その間はお行儀よく食べる(もちろんおもちゃ禁止)というルールにしています。
罪悪感なく見せられる番組を一緒にディグる
テレビとの付き合い方って難しいですよね。今のところ我が家の指針は「リモコンはママが操作する」。以上です。
時間制限などは特に決めておらず、息子の様子を見て「次で休憩しようか」「おやつにしようか」など、適当に区切っています。ただ、せっかく見るなら良質なエンターテイメントに触れることは意識したいなと思っていて、親子で気持ちよく「これは面白いね!」と言える番組を一緒に探しています。
息子のお気に入りの番組の中で、とりあえずNetflixの知育系の要素が強い番組を紹介します。他にもたくさんあるけど、みんながあまり見たことなさそうなものを。
- マジック・スクール・バス: リターンズ
子供向け科学番組の超王道! 90年代に放送された本家(?)の方もNetflixで視聴可能。息子はどちらもゲラゲラ笑いながら見ています。
- ストーリーボットにきいてみよう
生活の中の身近な疑問をストーリーボットたちが解明しにいきます。「人の見た目が違うのはなぜ?」「携帯電話の仕組みは?」など、大人が見ても面白い!
- ジャスティン・タイム・ゴー!
想像の中のお話という設定ですが、舞台は世界中のいろいろな国々。各地の文化が自然に頭に入ってくるのもうれしいし、悪者が出てこなくて、「トラブルを解決する」という設定になっているのも好感が持てます。
- ウーナとババの島
まるで絵本を読んでもらっているような、あたたかい作品。私は眠くなりますが、息子はニコニコと見ています。
4.夜は自分のケアに集中する
スマホは閉じて、本を読む
夕食が終わったら、1日の終わりにはスマホを閉じて、積ん読を消化しています。近くにあると、通知などが来るたびについ確認したくなってしまうので、充電器を玄関に置いて、物理的に距離を取っています。
最近は、ずっと読みたかった哲学系の本を読んでいます。フランクルの『夜と霧』などもあらためて脚光を浴びていますよね。
古典的な良書もいいですが、特に中高生向けに書かれた本を楽しく読んでいます。最近読んだ本だと『14歳からの哲学入門』『哲学人生問答』『子どもの難問』『シュレディンガーの哲学する猫』がとても面白かったです。哲学と触れ合うのは今年の目標の1つでもあったので、これを機にもう少し深めてみたいと思っています。
毎日息子とお風呂に入る
家から出ることがないと、「今日はシャワーだけでいいか」と思うことも少なくないのですが、やはり浴槽にお湯を張って、ゆっくりと入浴することで得られる効果は大きいと思っています。
息子と一緒にお風呂に入って触れ合うことで私も息子もオキシトシンが出るかな? と勝手に解釈し、いつもは1人で入ってもらっていたのですが、最近は一緒に入るようにしています。
Zoom飲み!
はやってますよね。もちろん、一部の人たちにとってはまだまだ身近なものでは無いかもしれませんが、たぶんそれってZoomに馴染みがないだけで、SkypeやLINE通話等でもできます。我が家は夕食時にFaceTimeを母とつないで、食事の間おしゃべりすることもあります。
普段の飲み会だと、その度にシッターさんの手配などをしなければならず、なかなか頻繁に顔を出しにくいのですが、オンライン飲み会ならそんな調整の手間も発生しません(早く息子をベッドに連れて行くくらい)。
最近も久しぶりに大学や高校時代の友達と話せて、うれしかったです。
5.心がけ編
花を飾る
今は亡き祖母は、花が好きな人でした。「生きているもののそばに神様がくるのよ」としょっちゅう言っていて、玄関に花をいけるのは私の役目でした。だからかわかりませんが、たった一輪でも花を飾ると心が落ち着きます。外出自粛以前は玄関に飾っていましたが、今は過ごす時間が長いリビングに置いています。
あんまりウイルスの話をしない
マスクをしなければいけない理由や、人と距離をあけて歩かなければいけない理由など、子どもに向けてウイルスについて話す機会も多くあります。そのときに、あまり脅すような話はしたくないと考えています。
「今、すごく強いバイキンがはやっていて、それを倒すお薬がまだできていないの。だからバイキンを体の中に入れないように、誰かにバイキンを運ばないように一緒に気をつけようね」、くらいに留めています。
スキンシップを多めにする
例えば、ちょっと叱ったあとにはちゃんとハグして仲直りするとか、できるだけ添い寝をするとか、休憩時間に様子を見に行ったら必ずぎゅっと抱きしめるとか、いつもよりスキンシップを多めに取るようにしています。
そうすることでストレスが少しでも減るかは分かりませんが、少なくとも息子はうれしそうなのでその笑顔が見たくて続けています。一対一だと逃げ場がなくなるので、私は子どもの頃、それがつらくて。
私は生後3カ月で現場に復帰したので、こんなに長く一緒にいるのは、もしかしたら生まれて初めてかもしれません。これから先、こんな機会は二度と訪れないかもしれない。そうであるならば、この時期の記憶を、できるだけあたたかく、穏やかな記憶で彩って欲しいなと思っています。
夜はたくさんおしゃべりする
在宅でも普通に仕事をしているので、仕事を終えて、夕食まで済ませると私は結構へとへとです。でも、1人の時間を過ごしてくれた息子のためにも、夜はできるだけたくさんおしゃべりする時間を持つように心がけています。
ただし、ごっこ遊びやおままごと、工作遊びなどの息子のペースに合わせる遊びは、どうしても疲れていると乗り気になれないので、午前中の“ママちゃんがっこう”のときに集中して「遊びこむ」ようにしています。
先の見えない日々は続きますが、不安はウイルスよりも早く広がります。私たちは、数えきれない人々の悲しみや苦しみ、そして今も世界中の現場で奮闘する方々の葛藤に心を寄せつつも、そこに飲み込まれないように強く生きていくしかありません。
日常を取り戻すまでまだ時間はかかるかもしれませんが、人間に与えられた知性と理性を「不安」に明け渡さないよう、がんばりたいと思っています。
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