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インタビュー

【新型コロナの困りごと、聞かせてください】「飲食店などの営業自粛で“現場→現場の空き時間”に居場所がない」 訪問介護で働くAさん

「事情としては分かるんですが、少しは(お店が)開いていてほしい」

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 外出自粛により仕事ができない、感染リスクの中でも働かざるを得ない……そんな新型コロナウイルスの影響で困っている人にインタビューする企画「新型コロナの困りごと、聞かせてください」。今回は、高齢者や障がい者の自宅へ訪問してサポートする訪問介護をしているAさん話を伺いました。

新型コロナに感染するわけにはいかない介護の仕事

 「介護業界、特に施設ではなくご自宅へ訪問する訪問介護は、私たちがサポートしないと生活が成り立たない人も多くて。特に独居の方はヘルパーがいなければ最悪の場合、命に関わるので、それこそ『わしゃあ風邪もひかず頑張らなければいけないんじゃあ」』みたいになります」。

 新型コロナウイルスの問題があっても行かねばならない仕事ゆえ、自己防衛のために最近持ち物がかなり増えているというAさん。除菌スプレー、除菌ジェル、のどスプレー、うがい薬、マスクなど、入浴介助があれば着替えも持ち歩きます。


Aさんが現場に持っていっているもの。紙コップや消毒、ミスト、マスク、使い捨て手袋と、のどが弱いのでのどスプレー、うがい薬、のど飴も持ち歩いています。この他ウェットティッシュも

※なお、マスクは購入が難しい状態が続いていますが「介護事業所あてに布マスクが送られたり、自治体から不織布マスクが届いたりで、なんとかなってます」とのこと

 万が一の場合は厚労省のガイドラインに基づいて勤務停止になるため、感染拡大し始めたころから早々に対策していたとのこと。「勤務停止になってしまうと、バックアップできる人がいないのでお休みにせざるを得ません」とAさん。人繰りに余裕がないことが伺えます。

飲食店などの営業自粛で“現場→現場の空き時間”に居場所がない



 Aさんは短時間の“細切れ介護”を担っており、新型コロナウイルスの影響で悩ましいことの1つは“次の現場に行くまでのあいだ、時間をつぶせる場所がなくなってしまったこと”。

 「訪問介護で30分、1時間くらいの短時間のサービスを細切れで対応してる人は“移動は自転車、空き時間は事務所に戻る”というパターンがわりと多いんですが、うちの事業所は自転車や徒歩移動もありますが、電車等で移動する現場も多いため物理的に事務所に寄るのが難しいことがあります。となると、途中でどこかで時間を潰つぶさざるを得なくて」。

 飲食店などの営業自粛により、イートインが閉鎖され、喫茶店なども閉まっていると空き時間を過ごす場所がなかなか見つからないといいます。「自分のような人は例外なのも承知している」としつつも、Aさんにとっては「本当にきつい」状態。「事情としては分かるんですが、少しは(お店が)開いていてほしい」と話しています。

※本記事は取材対象者の声をそのまま記事化したものです。当該業界、職種などの労働環境一般を説明するものではありません。

新型コロナの困りごと、聞かせてください

 本企画では、読者の皆さまのお仕事にまつわる「新型コロナの困りごと」を募集しています。

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