【4月17日18時追記:作業内容について追記しました】
ANAホールディングスは4月16日、医療用ガウンの縫製協力を行うことを正式に発表しました。
この発表は、16日に行われた安倍首相ら政府関係者と医療関係の物品を増産する企業とのテレビ会議において、ANAの片野坂真哉社長が明らかにしたものです。現在国際線9割、国内線5割が運休しているANAは、政府から医療用ガウンの縫製についてマンパワー支援の要請を受けました。今後、地上職員や乗務員などが、縫製会社の指導のもと縫製協力を行う予定です。
現在ANAでは、フライトクルーの9割、間接スタッフ8割がテレワークに入り、人との接触を減らしているとのことです。
ANAの縫製支援を指導する奈良県の縫製会社・ヴァレイは、同会議で6月末までに10万枚の医療用ガウンの生産を目指すと表明しました。ANA職員には、このガウン生産における作業の一部を手伝うことになる見通しです。
ヴァレイは在宅縫製職人の全国ネットワーク「MY HOME ATELIER(マイホームアトリエ)」を運営しており、デザイナーから受けた縫製依頼を仲介して在宅の職人に繋ぐサポート業務などを行っています。今回の10万枚のガウン生産にも、このシステムが利用されます。
ヴァレイの谷英希社長は、フリーランスの縫製職人がミシン作業に集中できるよう、ANA職員には縫製以外の手作業や一部のミシン作業を割り振る方針を提案したとのことです。
ANAによる縫製支援については、4月7日の首相の会見では「欠航が相次ぐエアラインの皆さんは、医療現場に必要なガウンの縫製を手伝いたいと申し出てくださいました」との発言があり、4月8日には西村康稔経済再生担当相がBSフジの番組において「CAさんたちも手伝うという申し出があった」と述べたため、批判が起きました(関連記事)。縫製支援は政府からANAへの要請によって考案されたものであったことが正式に認められたことになります。また、縫製支援を行うのはCAだけではなく、地上職員らも含まれています。
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