仲が微妙な魔法少女の漫画が、あまりにもリアルな距離感で子どもに見せられません。
3人組の魔法少女「ポニキュア」の前に、いかにも恐ろしげな魔物が登場。こういう魔法少女はたいていみんな仲が良くて和気あいあい、協力し合って敵を倒しますが――。「皆さん、どーも……。お久しぶりでーす」「じゃあ本日も、よろしくお願いします」と、なんともビジネスライクな挨拶から始まりました。しかも敬語で。「ピンクさん、正面から攻撃してもらっていいですか? イエローさんは背面に回っていただいて」……とても事務的な指示の出し方ですね……。
「なんで色で呼び合ってんの! 名前あるでしょ!?」と微妙な心の距離感を持つ魔法少女に大困惑の魔物さん。しかし魔法少女たちはあくまで冷静なままです。「名前は馴れ馴れしいかなって」「色で呼ぶ方がしっくりきますし」と、日曜日の朝には放送できないようなドライさに、魔物さんは「せめてポーズだけでも仲良さそうにしてくんない!?」と魔法少女としての方向性を正そうとします。たぶん、この魔物さん良い人だよ。
しかし本人たちは仲が良いと主張します。記念撮影をしますが、表情は硬いし送信先のIDも教え合っていないし、仲の良さなど微塵も感じ取れません。そうこうしているうちに、帰りの時間が気になってきた魔法少女。名前負けの合わせ技「フレンドシップ・ハートフルパワー!!」で魔物にトドメを刺しました。フレンドシップとは……。
敵を倒して喜び合うこともなく、「皆さんは何で帰られますか?」とさっそく帰りの話です。どこかでお茶するとか、そういう話にはならないんですね? 「ちょっと薬局とか寄りたいんで……」とさりげなく一緒に帰りたくないアピールをするイエローさん。「じゃあ、お疲れ様でしたー」と、3人はバラバラに帰って行ったのでした。
チームとして成立していること自体がおかしいほど、仲が微妙な魔法少女たち。いったいどんな妖精と契約したら、こんな魔法少女になってしまうのでしょう。ラスボスを倒したら二度と会うことのなさそうな魔法少女たちの漫画に、読者からは「薬局寄りたいで完全に笑った」「あれ一緒に帰りたくない時の常套句だったんだ」などの声が寄せられています。
作者は漫画家のたみふる(@_tmfly_)さん。現在マンガワンと裏サンデーで女子大生ガールズラブ漫画『付き合ってあげてもいいかな』を連載中、単行本が発売中です。
画像提供:たみふる(@_tmfly_)さん
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