「KINCHO」の商標で知られる大日本除虫菊の新聞広告が、大変潔いと注目を集めています。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で広告の掲載日に世の中がどうなっているのか分からないのでと、情勢に応じた6種の広告を作り全て公開しているのです。数撃ちゃ当たる作戦だ!
冒頭から大きな字で「もうどう広告したらいいのかわからないので」と、正直過ぎる言葉から始まるこの広告。右側には注釈で「※この企画は、4月中旬に決定。5月初旬に制作しました」と製作時期まで明かすフルオープンぶりです。
用意されている6種の広告は「K」タイプから始まり「I」タイプ、「N」タイプ、「C」「H」「O」とKINCHOの6文字を取ったものになっています。タイプごとにQRコードが付いており、読み込むとそれぞれの広告が見られる仕組み。
Kタイプは「緊急事態・外出自粛が、まだ継続している場合」で、なんかいろんな国籍の人の写真がたくさん並び「STAY HOME SAY GOODBYE TO COCKROACH」と書かれた意識高い感じになっています。スタートアップ企業の公式サイトみたいだぁ……。
Iタイプは「いまだ学校などが完全に再開されていない場合」で、「Gラーニング」として黒い「G」を題材にした子ども向けの6科目の課題が出題されています。Nタイプなら「何を言ってもクレーム、炎上、袋叩き。広告なってやってる場合か!」の場合で自虐的な内容、Cタイプなら「近いうちに収束するぞ! と先行きの見通しが立ってきた場合」でポジティブな内容……とどんな情勢にも対応できるようなっています。
この広告は新商品の「ゴキブリムエンダ」の宣伝用に作られたもので、6種全て最後はどうにか話を害虫駆除につなげ商品を宣伝している辺りもなかなか強引でいい感じです。どの企業も今の情勢ではどんな宣伝を打てば良いのか迷っているのではないかと思われますが、状況を逆手に取ったうまい広告になっています。
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これは良い広告じゃぁ。