米Wizards of the Coast社は、トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」において、人種差別を想起させる可能性があることを考慮し、「Invoke Prejudice」などいくつかのカード画像をデータベースから削除したと発表しました。
発表によると、画像削除の対象となったカードは「Invoke Prejudice」「Cleanse」「Stone-Throwing Devils」「プラデッシュの漂泊民/Pradesh Gypsies」「Jihad」「Imprison」「十字軍/Crusade」です。イラストによる描写や文言から人種差別を想起させてしまうとして、カードの画像は「存在が許されるものではありません」という声明文に置き換えられました。
また、削除対象のカードは今後すべての認定イベントにおいて使用禁止となります。
「Invoke Prejudice」の説明はM:TG Wikiによると「対戦相手1人が、あなたがコントロールするクリーチャーと共通する色を持たないクリーチャー呪文を唱えるたび、そのプレイヤーが(X)を支払わないかぎり、その呪文を打ち消す。Xはそれの点数で見たマナ・コストである」となっており、有色人種の差別を想起させかねない内容となっていることや、データベース上で割り振られるID番号が「1488」であることから、2019年に米掲示板サイトredditなどで人種差別的なカードだと指摘されていました。
白人至上主義者などが使用するスローガンに「14 Words」と呼ばれるものがあり、「14」や「14/88」と表記されます。「Invoke Prejudice」は画像の削除だけでなく、データベースで使用するIDを変更しており、従来のIDのページへアクセスすると「NOT FOUND」と表示されます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「マジック・ザ・ギャザリング」の「ゴジラ」コラボカードに「死のコロナビーム」 追って削除・変更へ
印刷変更ができなかったため、初版には当該のカードが含まれます。 - 激レアカード「ブラックロータス」が650万円で売却→誤って別カードが渡されてしまうドタバタ劇が発生 店側に状況聞いた
無事購入者の手に渡って良かった。 - 最低5ドルの寄付でインディーゲーム1000タイトルを遊べるキャンペーンが開始 反人種差別運動の一環として
神ゲーもいっぱい! - NHK「これでわかった!世界のいま」、米抗議デモに関するTwitter動画めぐり謝罪 内容に批判
- フランスで有害コンテンツを1時間以内に削除するよう企業に求める法律可決 「表現の自由が死んだ」「独裁」と批判続出
世界各所でソーシャルメディア事業者の規制に関連する動きが起こっています。 - 三重県、LGBTなど性的少数者への差別を条例で禁止へ 「カミングアウト強要禁止」「具体的な内容はこれから検討」
多様性を尊重し、課題を共有するため。 - 医療従事者への風評被害に、日本医師会がメッセージ動画を作成
不確かな情報は医療の現場に悪影響