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スイス連邦材料試験研究所(Empa)は、バイオマス由来の材料でできた透明なマスク「HelloMask」を開発しました。
「HelloMask」が発売へ
HelloMaskは、Empaとスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の科学者が共同で開発しました。製品開発のきっかけはEPFL基幹技術センターの責任者クラウス・シェーネンバーガーさんが2015年に体験したことにあるといいます。
当時、西アフリカエボラ出血熱流行の渦中で、シェーネンバーガーさんは、感染予防のために全身を防護服で覆っていた看護士たちが、顔が分かるように写真を胸にピンでとめていたのを目にしました。
マスクは顔の半分以上が隠れるので表情が読み取りづらく、ときに威圧的な印象を与えるかもしれません。表情を直接に見ることはできないものの、写真のおかげで患者は看護士の顔が分かり安心できます。この体験の後、透明なマスク製造のために年月をかけ、開発に至ったといいます。
透明なマスクはこれまでに開発されており市場で流通していますが、その原料はプラスチックであるため通気性が悪く、使っているうちに曇ってしまったり、廃棄する際の環境配慮が十分ではなかったりといった課題があります。HelloMaskは通気性を考慮した構造と99%バイオマス由来の材料を使用することで、実用性と環境配慮を実現した仕上がりのようです。
HelloMaskの販売を担うスタートアップ企業「HMCARE」が販売のための資金100万スイスフラン(約1億1300万円)を調達することに成功。現在は販売に向けて話が進んでおり、2021年初頭からの販売を目指しています。
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