梅雨の時期は湿度が高く、蒸し暑い日が続きます。熱中症は、強い日差しが照りつけて厳しい暑さとなる日に注意が必要と思われるかもしれませんが、くもりや雨の日でも、気温や湿度が高い時は熱中症の危険度が高まります。
意外と多い? 室内での熱中症
熱中症は、高温多湿な環境に私たちの体が適応できないことで生じる、さまざまな症状の総称です。
総務省消防庁が2019年の熱中症の発生場所についての調査したところ、住居(リビングや庭など敷地内すべての場所を含む)が4割弱を占め、最も多いことが分かりました。室内は、屋外に比べて高温多湿になりにくいと思われがちですが、条件次第では熱中症になることがあります。
室内での熱中症は、室内で過ごしている間に室温や湿度が上昇する場合、屋外で活動した後に室内で適切に体を冷やすことができない場合など、さまざまな要因で発生します。
生活のいろいろな場面で、熱中症に注意しよう
梅雨の時期は、室内でも気温や湿度が高く、高温多湿の環境になることがあります。生活のいろいろな場面で、熱中症に注意が必要なことをまとめてみました。
ペットと過ごす時
犬や猫も人と同じように熱中症になることがありますので、風通しをよくして、室内を涼しく保つようにしましょう。
高齢者が部屋で過ごす時
高齢者は、暑さやのどの渇きを感じにくくなるなど、体温の調節機能が低下していますので、のどが渇く前に意識して水分補給を心がけましょう。
在宅ワーク時
仕事に集中して休憩や水分補給を忘れてしまうことがあります。休憩をとるタイミングで水分も補給するようにしましょう。
入浴時
入浴の前後は十分に水分を補給し、大量に汗をかいたら、塩分もとるようにしてください。脱衣所などは湿気がこもるため、換気も忘れないようにしましょう。
冷房の効いていない場所・湿度の高くなりやすい場所を掃除する時
廊下や洗面所、浴室、トイレなどは、他の部屋に比べて高温多湿になりやすい場所です。こまめな休憩や、水分や塩分の補給を心がけましょう。
ベランダや庭で作業する時
室内との温度差が大きくなりますので、冷却グッズで首を冷やすなど、暑さを調節するようにしましょう。
キッチンで料理する時
火を使う調理は、熱とともに蒸気による湿気で高温多湿の環境になります。換気をしたり、電子レンジなど火を使わない調理方法を取り入れるとよいでしょう。
子どもが遊ぶ時
周りにいる大人が、顔色や汗のかき方など子どもの様子を気にかけて、室温や服装などを調節するようにしましょう。
睡眠時
閉め切った室内は熱がこもりやすく、夜になっても室温が下がらない場合があります。換気や冷房などで室温を適切に保ち、寝ている間の環境を整えましょう。
室内熱中症対策のポイント6箇条
人は活動すると体の中で熱が作られて体温が上昇しますが、体の表面から空気中に熱を逃がしたり、汗が蒸発する時に体の熱を奪ったりすることで体温を調節しています。ただ、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体から熱を逃がすことができなくなります。そのため、体の中に熱がこもりやすくなって体温が上昇し、熱中症を引き起こすことがあります。
ここで、室内の熱中症を予防する主な6つの対策をご紹介します。
1.温度と湿度を気にする
湿度が高いと熱中症の危険度が高まります。温度だけでなく、湿度も確認して除湿や換気をするようにしましょう。
2.室温を適切に保つ
冷房を適切に使用して、室温を適度に下げるようにしましょう。扇風機を使用して空気を循環させると、室内全体を冷やすことができます。
3.こまめな水分補給・適切な塩分補給・休憩
室内では屋外に比べて汗をかくことが少ないため、のどの渇きを感じにくいことがあります。意識をして休憩をとり、こまめに水分や塩分を補給しましょう。
4.生活リズムを整える
蒸し暑さが続くと、食欲が落ちたり睡眠不足になることがあります。バランスのよい食事や十分な睡眠をとるなど、暑さに負けない丈夫な体づくりを心がけましょう。
5.体を暑さに慣れさせる
室内でもストレッチなどで適度に体を動かしたり、入浴時も湯舟につかるなど、体を暑さに慣れさせましょう。
6.自分も家族もなるかもしれないとお互いに気にかける
家族や友人同士で、お互いに気にかけることが大切です。特に、高齢者の方には周りの人が体調を気にかけて、予防対策を促してあげましょう。
梅雨の時期は、湿度が高く蒸し暑い日が多くなります。また、梅雨の晴れ間に気温が急上昇することもあります。体の中に熱がこもらないように、部屋の風通しをよくしたり、衣服を工夫することで暑さを調節しましょう。
室内で過ごす場合にも、自分がいる環境を確認して、無理をしないで熱中症対策を心がけてください。
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