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「友人として注意すべきか……」確証もないまま友人カップルの生活保護不正受給を疑う相談者 「テレフォン人生相談」先週のハイライト(2/2 ページ)

相談者の本音は“友情”か、それとも……。

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 しかし相談者は微妙にはぐらかす。

 「本人がどの程度の収入があるかも私は分からないんですけども、ホントに生活できないってほどでもないと思うので。まあ夫婦ふたりで働けばどうにか生活できると思うんですよね。お子さん3人いても」

 坂井は、2人の子どもを抱えたシングルマザーが、収入のある恋人と付き合って子どもを作ったからといって、直ちに生活保護を打ち切られるべきかどうかは判断が分かれると指摘。

 「不正受給はよくない!」と言いたくなる気持ちは分かるが、本当に“友人”として不正受給を止めようとしているのか? それとも単なる“生活保護受給者狩り”的なスタンスなのか?

 「アナタがその友人に言う時に、どういう立場で言うかってことは考えどころかなという気がするんですけどね」

 「聞いてる限りだと、5人で旅行とかも行ったりですね。できてしまった赤ちゃんについても『すごいカワイイ』って夫婦で育ててるらしいので、そこの世帯って……まあ、私のヒアリングベースなんですけども、間違いなく同じ世帯なのかなっていう感じはするんですね」

 自分のスタンスを明らかにせず、友人の“けしからん”ポイントを挙げ続ける相談者。

 「夫婦ふたりで、どっちも健康なわけですし、子どももすんごい小さいわけじゃないので、しっかり働いて普通に生活するべきじゃないのってホントにこう思う部分もあると言いますか……」

 「不正受給っていう単純な問題だったらね、『それはダメだよね』って一般論でいいんだけど、そこで友人関係が絡んでいて、気になっているというのが、なんでそこまで気になるのかなと」

 不正受給がよくないのは間違いないが、本当に不正をしているなら、いずれは役所の決定もあるだろう。その点で友人を本当に心配しているのなら、さっさと「不正受給はやめた方がいいよ」と言えばいいだけの話だ。

 友人の世帯に関する確定的な情報もないまま、どうして相談者は「テレフォン人生相談」に電話をかけてきてしまったのだろうか。

 「自分のこと、こう考えてみると、少し私にも偏った見方がもしかしたらあって、生活保護もらってるのにそんなに遊んでいいのかよっていうのが、まあ本音ベースで……」

 「うん、だよね。そこが聞いてみたいところだったんだ」「だけど生活保護受けてる人が苦しそうな顔して歩いてなきゃいけないっていうのは間違ってると思うから。『違法だから言いつけちゃうぞ』みたいな話だとね、あんまり良い方向ではないような気がするんですけどね」

 要は、「テレフォン人生相談」に時々出てくる、「知人が心配」と言いつつ、その知人をディスりたいだけの相談者パターンだろう。

 相談者と友人、ともに半年前に子どもが生まれているというのも気になりポイントだ。「自分も小さな子どもを抱えて、経済的に余裕はないけどなんとか育てているのに、アイツだけ生活保護もらっててズルイ! しかも旅行したり遊びに行ったり……」みたいな気持ちはなかったのだろうか?

 加藤諦三なら「自分に不満がある人ほど、他人に……」みたいなアドバイスをしそうな相談だった。

これまでの「テレフォン人生相談」

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