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意外に微力! 小惑星探査機はやぶさ2「イオンエンジンの推力を家庭で感じられる方法」を試してみた(1/2 ページ)

微妙な調整をしつつ、もうすぐ地球に帰ってきます。

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 小惑星探査機はやぶさ2が、地球帰還に向けたイオンエンジンの最終運転(TCM-0)を、2020年9月15日より実施しています。公式Twitterアカウントでは、キッチンスケールを使った“イオンエンジンの力をご家庭で感じる方法”を公開し、大いに盛り上がっています。さっそく、自宅でイオンエンジンを感じてみました。

イオンエンジンの推力を感じる方法 【本邦初公開】イオンエンジンの力を感じる方法(はやぶさ2Twitterより)

 はやぶさ2は、2014年12月3日に打ち上げられました。2018年6月27日に小惑星リュウグウに到着、2020年末に地球に帰還する予定です。計画軌道とのごくわずかなずれを補正するために、イオンエンジンに復路最後の「ひと噴き」をさせているところです。

 今回、使われるイオンエンジンは「イオンエンジンC (ITR-C)」1台。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、9.8mN の力で30時間弱の連続運転を行い、速度を1.9m/s だけ増すそうです。

 そういわれても、ピンと来ないですよね。そこで、公式アカウントは“イオンエンジンの力をご家庭で感じる方法”を紹介しています。用意するものは、キッチンスケールです。はかりに向かって息を吹きかけ、表示を1グラムにします。その息の強さがイオンエンジンの推力に相当するそうです。

 どんなものか試してみました。はやぶさ2の重量は約609キロです。そんな重い物を時速6.84キロも速くするなら、きっと大変な力がいるはず……そう考え、思いっきり吹きかけました。

 すると、目盛りは大きく振れて最大20グラムを表示。シャボン玉をふくらませるくらいの弱い息が1グラムでした。ねらった場所、ねらった時刻に帰還するために、ものすごく微妙な調整をしているんですね。

キッチンスケールに強く息を吹きかけるところ おもいっきり吹くと、10グラムは比較的簡単に超えます

キッチンスケールにそぉーっと息を吹きかけるところ 1グラムを維持するには、弱い息を保たなくてはいけません

ドライヤーをキッチンスケールに吹きかけているところ ドライヤー(コールド)では、50センチ以上離さないと1グラムになりませんでした

 ちなみに、この1グラムの息をそのまま2年間ほど吹き続けられれば小惑星に着けるそうです。筆者も、小惑星にお宝を取りに行こうとチャレンジしましたが、6秒ほどで苦しくなりました。遠いですね、小惑星。

 Twitterには、試した人の感想がたくさんリプライされています。思ったよりも簡単に1グラムになったことに驚く声が目立ちます。

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